2024年05月29日

トランスフュージョン

 「アバター」のサム・ワーシントン主演のオーストラリア製ハードボイルド。憂鬱なBGMがうるさいほどですし、話も基本的には救いがないのにエピローグのお花畑に愕然としました。


 作品情報 2023年オーストラリア映画 監督:マット・ネイブル 出演:サム・ワーシントン、フィービー・トンキン、エドワード・カーモディ 上映時間105分 評価:★★★(五段階) 観賞場所:川崎チネチッタ  2024年劇場鑑賞187本




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 【ストーリー】
 オーストラリア軍特殊部隊の狙撃手、ライアン(サム・ワーシントン)は妻のジャスティーン(フィービー・トンキン)が妊娠し、息子のビリー(エドワード・カーモディ)も含めて幸せな生活を送っていた。ところが、酔っ払い運転の車と衝突し、ジャスティーンは亡くなり、ビリーも重傷を追ってしまう。


 心に傷を負ったライアンは軍を除隊するが、民間の仕事はうまくいかず金にこまっていた。さらに、高校生になったビリーとの仲もうまくいかない。そんなある日、軍隊時代の上官、ジョニー(マット・ネイブル)から金儲けになる仕事があると、強盗に誘われ…。


 【感想】
 序盤は軍人としても優秀でイランで活躍し、家庭でも妻子を慈しみ父としても夫としても立派な姿が描かれます。しかし、それが自分には落ち度もない酔っ払い運転で暗転。妻と胎児を失ったことでライアンは完全に壊れてしまい、しょっちゅうジャスティーンの妄想が現れて会話するようになります。生き残ったビリーも自分だけが助かったことを自分で責め父子の関係も壊れ、学校でも浮いてしまっています。


 このあたりの不幸の描写が延々と続いてちょっとしんどいほど。不幸な映画は嫌いじゃないんだけど、BGMも含めてとにかく落ち込ませようとしているのがちょっといらいらしました。さらに、ライアンもビリーも何とかしようとあがくのだけど、どんどんドツボにはまっていくのも、作劇上やむを得ないとはいえ、もう少し何とかできたろうといらいら。


 さらに、ジョニーもライアンも軍人が除隊後は落ちぶれてしまうという描写なんですけど、いかにもフィクションぽい。まあ、狙撃手であることをいかしたガンアクションは工夫を凝らしていますし、切れたら怖いというのも軍人らしいかも。


 それでもまがりなりにも不幸、不運のオンパレードはこういうものかという説得力があったのですが、クライマックスからエピローグにかけてはとってつけたのようで、もう一押しの工夫がおしかったかも。サム・ワーシントンはアバターで世界的なスターになったのに、地元のオーストラリアではこんな低予算の地味な作品に出ているというのは興味深かったです。マット・ネイブルは監督、脚本、助演の一人三役でした。
posted by 映画好きパパ at 06:00 | Comment(0) | 2024年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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