作品情報 2023年日本映画 監督:今関あきよし 出演:上大迫祐希、原愛音、佐伯日菜子 上映時間103分 評価:★★★(五段階) 観賞場所:横浜シネマリン 2024年劇場鑑賞188本
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【ストーリー】
鹿児島の美大生、美巳(上大迫祐希)は両親を亡くし、実家の商店を切り盛りする叔母の嘉子(佐伯日菜子)としっくりいっていない。卒業制作も決まらず、鬱移したある夜。UFOにさらわれそうになる。夢か現実かはっきりしない美巳。
親友の希良(原愛音)、いつもつるむユタカ(肥後遼太郎)も将来に向けてあがく中、美巳に不思議な声が聞こえるようになり…。
【感想】
将来への不安、しっくりいかない疑似家族、異性との関係、そして超常現象。いろんな要素がぶつぎりのようになって散漫にみえるのですが、緑と海がきれいな鹿児島を舞台にして地方特有ののんびり感と、上大迫のナチュラルでフレッシュな雰囲気を楽しめれば、あまり突っ込むのも野暮という気がします。そもそもリアルな人生も起承転結があるわけでもなく、伏線回収なんてものもそうそうありませんからね。
今関監督の前作「釜石ラーメン物語」でも若手女優を輝かせていたように、本作でも上大迫、原のみずみずしさと言ったら。師匠筋の大林宣彦監督ゆずりのうまさをかんじます。欲を言えば、いくつもの要素のうち、美大生3人のこの時期ならではの男女を超えた友情と淡い思いみたいのがまさに「青い」と思うので、ここにフォーカスをあててほしかったかな。こういう恋愛に陥らない男女関係を描いた作品は貴重だと思います。
もっとも、不思議な出来事が青春のまわりにあるというのも大林イズム。UFOやら幽霊やらてんこ盛りでサービス精神旺盛ともいえる作品です。もっとも、佐伯日菜子がキャスティングされたので、ホラーテイストに行くのかと思ったら、彼女も等身大の中年女性を演じていたのはキャスティングの妙でしょうか。
一緒に食事をとるのもいいけれど、作るのはもっと仲が縮まる。鹿児島の郷土食の知識はないのですが、出てくる食べ物が本当においしそう。上大迫も鹿児島出身ということなので、食べ方とか板についていた感じでした。
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