作品情報 2023年日本映画 監督:二ノ宮隆太郎 出演:坂東龍汰、高橋里恩、清水尚弥 上映時間103分 評価:★★★(五段階) 観賞場所:横浜シネマリン 2024年劇場鑑賞189本
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【ストーリー】
工場で働く渉(坂東龍汰)、飲食店員で血の気が多いうえ屁理屈ばかりの英治(橋里恩)、介護士の光則(清水尚弥)は幼馴染。だが、退屈で鬱屈した日常に「世直し」をしようと考え…
【感想】
片や日経平均が最高値とか、初任給が過去最高なんていう時代に、言葉は悪いが同世代の中でもぱっとしない生活を送る3人。特に渉は父親(豊原功補)との仲が断絶しているし、職場でもさえない日々が続き、鬱屈しているのだろうなというのがわかってきます。
3人のなかでは英治が一番切れて、歩きたばこのおじさんとかに絡んでいくなどチンピラ丸出し。この口の悪さも彼らの鬱屈からきているというのがわかります。渉は彼のことをうざく思ってるけど、他につるむような陽キャもいないし、はぐれもの同士がつるんでいるのだろうと見ておもってしまいます。
その渉が我慢の限界でとった行動は驚きましたけど、3人のなかで一番常識人ぽく、勤務先の施設でも入居の老女(木野花)から信頼されている光則の毒にまみれたせりふにも驚きました。人間、見た目と内心はわからないし、社会っていうのはそんなもんだとの諦観も感じさせられてきます。その点、不機嫌な萩原みのりが徹底的に戦った「お嬢ちゃん」の法が好みですし、前作の「逃げきれた夢」で割とウェルメイドに取っていた二ノ宮監督が、またこの路線に戻ってきたのも不思議。
カメラの構図や人物配置、音楽には徹底的にこだわっているので、刺さる人には刺さるのだろうけど、僕は英治のうざぜりふにちょっと引いてしまって、いまいち刺さりませんでした。でも、こういういかにもインディペンデントな作品が作られるというのは悪くないと思ってます。
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