2024年06月01日

帰ってきたあぶない刑事

 人気刑事ドラマの8年ぶりの新作。コンプラで小ぢんまりした最近の刑事ドラマを一蹴する昭和テイストのアクション満載な作品が心地よいし、70代の2人のアクションには驚愕です。


 作品情報 2024年日本映画 監督:原廣利 出演:舘ひろし、柴田恭兵、土屋太鳳 上映時間120分 評価:★★★★★(五段階) 観賞場所:ブルク13  2024年劇場鑑賞190本




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 【ストーリー】
 かつて神奈川県警で数々の難事件を解決しながら、カーチェイスや発砲で「あぶない刑事」と呼ばれた鷹山敏樹(舘ひろし)と大下勇次(柴田恭兵)。定年退職後はニュージーランドで探偵事務所を開いていたが、現地を追放されて8年ぶりに横浜に戻り、探偵事務所を開いた。


 依頼人第一号は、幼いころから行方がわからない母親を探してほしいという永峰彩夏(土屋太鳳)。だが、その母親が夏子という横浜で有名なシンガーだったと知り2人は顔色を変える。24年前、2人は夏子と運命的なかかわりをもち、彩夏は自分の娘かもしれないのだ。しかし、夏子の捜索を始めた2人は、当時からの因縁でとんでもない事件に巻き込まれていく…。


 【感想】
 年代的にあぶない刑事は知っていますが、ドラマはほとんど観たことがなく、映画も本作を含めて3本しか観ていません。そんなファンともいえないのですけど、本作には思い切りはまってしまいました。まず、2人のアクションがしびれるほど格好いい。もちろん70歳を過ぎているのですから、時折はさまれる若いころと比べたら衰えはあきらかです。それでも、足は高く上がるし、老化をボケとしながらもバイクや銃さばきはさすがのもの。


 もちろん、銃撃シーンやカーチェイスもちゃんと用意されており、それもハリウッド風のいかにも作りましたというのよりも、日本の昭和末期の刑事ドラマテイストにあふれるもの。老化した2人のけりが強敵に通用しなかったり、なかなか銃弾があたらないというのも、単純なハリウッドアクションよりもこちらのほうが好みです。


 さらにヒロインの土屋が身体能力が高いことも魅力。タカとユージの掛け合いにきっちり入ってくる頭の良さ、華やかさもありますし、走るフォームが本当にきれい。柴田恭兵が走れない分、彼女に走らせたかと思うほど。バイクも乗りこなすし、本当に2人のDNAをうけついでいるようでした。


 シリーズではおなじみの2人の後輩、町田(仲村トオル)のコミカルさとシリアスさのバランスも最高。仲村も他の役ではラスボス的な役割をする年齢になっていますが、本作では2人のぱしりを不平をいいながらやるというのはたまりません。同じくレギュラーの真山薫(浅野温子)が往年の美人女優はどこへいったのか、ギャグに振り切って化粧もおばけみたいなのも笑えました。このほか、ゲストの岸谷五朗、吉瀬美智子、早乙女太一、西野七瀬らもはまり役ばかり。とくに岸谷の悪だけど2人と力量を認める関係というのは、ハードボイルドで渋すぎる。


 そして、何よりふんだんな横浜ロケで、36年前とはどんどん町が変わりつつ、でも横浜の良さをしっかり見せてくれるのが最高です。わざわざブルク9でみたのは、本作で登場するからの記念ですが、元町、中華街、伊勢崎長者町、本牧など横浜の見どころがふんだんにみられました。ストーリー的にそれほど複雑でないのもいい。なつかしさと切なさ、渋さとコミカルすべてまじりあった作品を若手で長編初監督の原監督がきっちり作り出したのもいいですね。これまでも最後といいつつ、何年か経つとしれっと復活しましたが、2人の年齢的にこれが本当にラストになるのか。もっと2人の「危なくない探偵」シリーズを観ていたくなりました。
posted by 映画好きパパ at 07:49 | Comment(0) | 2024年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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