作品情報 2024年日本映画 監督:秋山純 出演:平泉成、佐野晶哉、市毛良枝 上映時104分 評価:★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズ日比谷 2024年劇場鑑賞212本
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【ストーリー】
若き天才写真家、五十嵐太一(佐野晶哉)は情熱を失っていた。ある日、コンクールの一般の部で、愛知県岡崎市で小さな写真館を経営している鮫島武治(平泉成)の作品を観て感銘を受ける。仕事を投げ出し岡崎に行った太一は、武治に頼み込んで住み込みの弟子にしてもらう。
頑固でぶっきらぼうの武治と賢く優しい桜(市毛良枝)夫婦と次第に親しんでいく太一だが「写真を撮ることだけがカメラマンの仕事じゃない」という武治の言葉がわからなかった。しかし、町のお客さんたち(佐藤浩市、田中健、咲貴ら)の人生と向き合いながら写真を撮っていく姿に、いつしか写真への思いを取り戻していき…
【感想】
常識的に考えれば80歳になるまで無名の地方の新人に、売れっ子の若手天才写真家が惚れ込んで弟子入りを頼むというのは漫画ちっくで現実にはありそうもないのですけど、まあ映画だからそういう設定もありでしょう。ただ、太一も武治もいかにもテンプレ的なキャラクターに思える部分もありました。
さらに、お客さんたちとのエピソードも感動させようとする作為性がどうしても気になってしまいます。平泉のバラエティでもいじられたようなぶっきらぼうな頑固おやじぶりに、佐藤、田中らのベテランの演技は予定調和的。唯一、太一とも親しくなっていく若きパティシエ景子は、咲貴が新人だけに予定調和を破るようなハラハラさがありましたけれど。
ただ、想定の範囲内とはいえ、それぞれのエピソードはいわゆる泣かせる話ですし、離婚した両親(高橋克典、黒木瞳)と不仲の太一、仕事一筋で子供の面倒をみなかったため息子の直哉(嘉島陸)と溝ができている武治が、ちょうど欠落した家族関係を補うような設定になっているのも、じーんと来る感じです。
物語を通じて悪人がでてこず、ハートフルでちょっとモノ哀しいストーリーが続きます。ベテラン陣は有名どころをそろえて、若手はフレッシュで手あかがついていない俳優を起用したのが良いコントラストになっていました。
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