作品情報 2024年アメリカ映画 監督:イシャナ・ナイト・シャマラン 出演:ダコタ・ファニング、オルウェン・フエレ、オリヴァー・フィネガン 上映時間102分 評価:★★★(五段階) 観賞場所:Tジョイ横浜 2024年劇場鑑賞236本
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【ストーリー】
アイルランドのペットショップでバイトをしているミナ(ダコタ・ファニング)は、オウムを顧客に届けに車で出張していく途中、深い森の中で迷ってしまい車も動かなくなってしまう。困った彼女は出会った老婦人のマデリン(オルウェン・フエレ)に助けられ、森の中の一軒家に転がり込む。
そこにはダニエル(オリヴァー・フィネガン)という少年と、シアラ(ジョージナ・キャンベル)という女性がいて、不思議なことを言い出す。森からは逃げ出せず、夜になると家から出てはならない。そして、ガラス張りの窓の外には、自分たちを見張る「ウォッチャーズ」がいるので彼らを怒らせないようふるまわなければならないと。最初は信じなかったミナだったが…
【感想】
日常が唐突に異常事態で断ち切られてしまうという父親譲りのプロット。「ヴィレッジ」をはるかに上回るような深い森のなかでいったい何が起きているのか、超常現象なのかそれとも人為的なものなのかと、わくわくしながら観ました。予告編にあったようにアバンで森から逃げようとする男性(アリスター・ブラマー)がおびえたように逃げ回った末、悲惨な目にあうというつかみも十分です。
ただ、個人的にはもっと謎を引っ張ってほしかったのですが、結構、早い段階でウォッチャーズの正体がわかってしまい、しかも、その外見がいかにもホラー映画という感じだったのがマイナスでした。それこそ「ミッド・サマー」のように不穏さをずっと引っ張って、最後に爆発とかのほうが好みなんですよね。だいたい、「ナイトスイム」もそうでしたが、最近のホラー映画の造型ってどっかで観た感じのうえ、早い段階で姿を表すのが面白くない。父シャマランの映画だと「サイン」のように出る出るというじらしたあげくに、出たとなったほうがまだよかったのに。
とまれ、森の中の一軒家に閉じ込められた4人が、食料やトイレにも困りだんだん人間関係が険悪になっていく様子は、ホラーで怖いのは人間だという僕の好きなパターンを描いていて面白かった。それだけに、もっと人間同士の醜さに焦点をあててほしかった気がします。
とはいえ、子役出身でしっかりした演技のダコタ・ファニングをはじめ、年齢も性別も違う4人の演技のアンサンブルは見ごたえがありました。なんといっても深い森でのロケがいい。森の中に恐ろしい怪異がいるというのは、やはり古くから人間が持っている本能なんでしょうから、現代を舞台にしてもうまく描かれていると思いました。娘シャマランが今度は父親とは離れて新作映画をとってもらいたいと思う次第です。
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