作品情報 2023年韓国映画 監督:キム・ヨンファ 出演:ソル・ギョング、ド・ギョンス、キム・ヒエ 上映時間129分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:109シネマズグランベリーパーク 2024年劇場鑑賞248本
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【ストーリー】
2029年、韓国はNASAの反対を押し切って月への有人宇宙船を打ち上げた。だが、太陽風の襲来という予期せぬ事故により、3人の乗組員のうち生き残ったのは1番若いファン・ソヌ(ド・ギョンス)だけで、宇宙船にも大きなダメージを受けた。
韓国の航空宇宙センターは、宇宙船を設計した前センター長のキム・ジェグク(ソル・ギョング)を急遽、招集する。彼は前回の打ち上げが失敗して宇宙飛行士3人が死亡した責任を取って、今は山奥の天文台に隠棲していたのだ。急遽駆けつけたジェグクの指示もあり、ソヌは無事に月面に着陸する。しかし、その後も隕石雨などピンチが次々とやってくる。全人類でたった一人月にいるソヌは果たして助かるのか…
【感想】
韓国がアメリカについで2番目に月に有人宇宙船を到着させ、人類の今後を救うといういかにも愛国的な設定には笑ってしまいます。さらに、NASAの航空ディレクターユン・ムニョン(キム・ヒエ)がジェグクの元妻というご都合主義にも失笑。極めつけはクライマックスのジェグクの告白で、みんな感動しているけど犯罪じゃないのこれ。法律よりも感情に流されるのも韓国らしい。
まあ、一番肝心のソヌが助かるのか、ハラハラドキドキの冒険シーンはノンストップで楽しめるからいいのだけど。序盤の宇宙船で他の2人が露骨に死亡フラグを出している中、一番下っ端で動揺するしかなかった彼が、様々なピンチをジェグクのアドバイスを受けながら切り抜けていく様子は痛快です。
どこまでが科学的に正確かわかりませんけど、たった一人で月でサバイバルをしなければならないソヌの孤独さは伝わってきますし、同時にとにかく彼をピンチ続きにさせなければという監督、脚本のキム・ヨンファの盛り上げ方の見事さも感じさせます。とにかくひたすら続くサバイバルは観ていて飽きません。韓国のエンタメは本当にうまい。
ベテラン、ソル・ギョングにも引けを取らない存在感を示したド・ギョンスはアイドルEXOのメンバーですが、キム・ヨンファの前作「神と共に」に続いて、大作映画を引っ張る役を見事にこなしました。キム・ヒエの貫禄や現センター長役のパク・ピョンウン、おろおろするばかりの科学技術庁長官役のチョ・ハンチョルや、韓国映画でよくみる脇役の演技もしっかり。また、天文台の新人女性職員なのになぜかジェグクにくっついて、宇宙センターでどたばたするカン・ハンビョル役のホン・スンヒが、コメディエンヌぽい役柄で良い味を出していました。
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