作品情報 2024年日本映画 監督:橋口亮輔 出演:江口のりこ、内田慈、古川琴音 上映時間106分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:川崎チネチッタ 2024年劇場鑑賞251本
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【ストーリー】
弥生(江口のりこ)、愛美(内田慈)、清美(古川琴音)の三姉妹は、誕生日を迎える母のために、一家での温泉旅行をプレゼントする。だが、気難しい母にはこれまでさんざん痛い目をあわされたうえ、東京でバリキャリをしている弥生はアラフォーで独身、愛美は幼いころから勉強のできる弥生にコンプレックスを持ち、一人田舎で母の面倒をみている清美は、母の介護にくたびれていた。
不穏な空気のなかで始まった旅行だが、清美が爆弾発言をする。なんと、小学校の同級生のタカヒロ(青山フォール勝ち)との結婚を決め、みんなに顔見世したいというのだ。孫の顔をみたい攻撃に悩まされた弥生、不倫に苦しんできた愛美は単純には喜べず…
【感想】
僕は姉妹がいないからわからないけれど、仲良しのようででもマウンティングをとりたいというのは人間の性なんでしょうか。とにかくうるさいぐらいの3人の会話劇ですが、愛美と清美が対弥生でタッグを組んだり、弥生と愛美が対清美でタッグを組んだりと、人間関係のもつれが笑えます。
最初はバリキャリの弥生が偉そうで嫌な奴に見えましたが、実はギリギリで生きてきたのがわかったり、姉2人の間を取り持とうとしておろおろする常識人の清美が、いきなり彼氏を登場させる爆弾を爆発させたりと人間関係の機微の描き方はお見事。ペヤンヌマキの舞台が原作だそうですが、いかにも演劇らしい会話劇を、人間関係を描く名手の橋口監督がきっちりと映画化しています。
また、タカヒロがマッチョで天然だけど底抜けのお人よしに描かれているのが一幅の清涼剤のよう。3姉妹に比べるとあまりにも記号的なキャラですけど、3姉妹のとことんの会話劇や派手な口喧嘩につかれたあとは、こういう癒し系マッチョというのはありがたかった。母親を直接写さないという手法もいいですね。
それにしても、子どもに過干渉する母親というのは今でもいるのでしょうけど、それでも親孝行しないといけないのかなあ。3姉妹も母とさっさと縁を切ればいいのにと思ってみてました。ただ、無理くり感動の方向にもっていくのは邦画ならではで、それはそれで悪くない気もしましたけど、うーん。考えてしまいます。
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