作品情報 2022年日本映画 監督:キティ・グリーン 出演:ジュリア・ガーナー、ジェシカ・ヘンウィック、ヒューゴ・ウィーヴィング 上映時間91分 評価:★★★(五段階) 観賞場所:ヒューマントラストシネマ有楽町 2024年劇場鑑賞271本
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【ストーリー】
カナダからオーストラリア旅行に来ていたハンナ(ジュリア・ガーナー)とリブ(ジェシカ・ヘンウィック)。リブのお金が無くなってしまい、ワーキングホリデーで稼ごうとする。紹介されたのは奥地の鉱山町にあるロイヤルホテルのパブでの接客だった。
名前とは裏腹に崩れ落ちそうな建物。酔いどれオーナーのビリー(ヒューゴ・ウィーヴィング)をはじめ、客は荒くれ男がほとんどで女性客を含めてセクハラ発言が飛び出す。やがてハンナとリブを狙って常連客のマッティ(トビー・ウォレス)やドリー(ダニエル・ヘンシュオール)が近づいて来て…
【感想】
セクハラ被害を受けた女性に、落ち度があるというのを言ってはいけないのですけど、本作の場合、リブが余計に被害を拡大させているように見えました。そもそも、鉱山町でのパブの接客なんて危険な仕事に覚悟もなく、ハンナを無理くり誘っていたのは彼女。その後も、酔っぱらって酔客と大騒ぎすることが続きましたし。
また、男女関係の感覚の違いというか、ハンナもマッティのデートの誘いにのったり自分からキスをしたり挑発的なことを行っているわけです。場合によってはロマンスに発展していきそう。中盤まではちょっと、これでセクハラと騒ぐのは文化の違いもあるのにと思ってしまいました。職業に貴賎なしというけれど、パブのウエイトレスだとどうしてもセクハラにさらされるわけで。ハンナとリブの許容範囲が違うところもリアルです。
ただ、後半に向かってセクハラがどんどんエスカレートして、女性2人は身の危険を感じていき、その恐怖というのは男の僕からしても持ちました。。これは前半の軽いセクハラのうちにつぶしておかなかったから、男どもが増長したともいえます。基本的に本作の男どもはどうしようもない屑ばかり。それが後半になるほど加速していきます。グリーン監督の男性への憎悪が伝わってくるとともに、ダン背キャラクターの性格をきちんと描き分けているのには感心しました。
また、ラストは観客的にはスカッとするわけですが、作品内の2人の今後を考えると暗澹たる未来につながりかねないわけです。そこまでねちねちと、いかにも田舎町の荒くれにありそうという描写が続いていて、不快ながらも納得させられていただけに、最後に突然、フィクショナルなシーンを入れたことが個人的に合いませんでした。
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