作品情報 2023年インド映画 監督:プラシャーント・ニール 出演:プラバース、プリトヴィラージ・スクマーラン、シュルティ・ハーサン 上映時間174分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:新宿ピカデリー 2024年劇場鑑賞273本
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【ストーリー】
インド奥地に1000年以上続く都市国家カンサールは犯罪者集団が集まった無法都市。インド政府ですら手を出せない治外法権だった。1985年、カンサールの元首一族の少年ヴァラダ(カルティケヤ・ダブ)は、天才的な頭脳と大人も太刀打ちできない腕力をもった少年デーヴァ(ヴィデシュ・アナンド)と互いに命を助け合う出来事が起き、生涯の友情を誓う。
現在、ニューヨークからインドへ久しぶりに帰国した女性アディヤ(シュルティ・ハーサン)は、空港到着直後からカンサールの刺客に襲われる。訳が分からないまま辛くも脱出したアディヤは、山奥の村に住むアンマ(イーシュワリ・ラーオ)と、その息子のデーヴァ(プラバース)にかくまわれる。普段は温厚で地元の子どもたちにもバカにされていたデーヴァだが、アディヤを襲ってきた10人以上の刺客をたった1人で返り討ちにしてしまう…。
【感想】
1985年の少年時代のエピソードから始まり、現在のアディヤが襲われるパート、7年前にカンサールの覇権をめぐって、陰謀に巻き込まれたヴァラダを助けにデーヴァがきたパートが入れ子のようになっています。前半はアディヤパートが長いのですが、デーヴァが覚醒するシーンまでちょっと時間がかかります。子どもたちのふれあいシーンや敬礼シーンは妙にはまってしまいました。
しかし、アクションが始まったら強いこと強いこと。相手は悪人だし、デーヴァもカンサールの出身者ということもあり、容赦なくやっつけます。さらに、後半からは7年前のパートが中心となり、そこでもひたすらデーヴァのアクションを見せつけられます。素手、刀、斧、マシンガン、ロケット砲と獲物もたくさんあり、とにかく観ているだけでテンションが上がります。
しかし、単なるアクションでおわらず、特に7年前の時系列はカンサールの覇権をめぐる陰謀劇の部分がたっぷりあり、登場人物も大勢でてきてみんな髭面なので、なかなかわかりにくい。それでも雰囲気と勢いにみていることらは流されて行きます。「KGF」もそうでしたが、架空のインド史というか普通の人は知らない秘密の国家がインドにあるという設定は、ぶっとんでるけどひたすら陰鬱で裏切りの連続の陰謀劇に、ド派手なアクション活劇がまじりあい、濃厚な味わいを楽しめます。
途中からうすうす気づいたのですが、3時間かけても話はまったく終わらず謎は放置されたまま、どういう着地になるのか見えないところ。また、インド映画にしては珍しく、子どもたちの歌うシーンは何カ所かあるけど、ダンスはなし。主役のブラバースやヒロインのハーサンも歌いません。さらに、ハーサンは美人女優なのに作中のブラバースとの絡みはほとんどなし。むしろ、男同士の熱い友情やインド映画らしい母と息子の絆というのが全面に押し出されています。
パート2がいつ日本で上映されるかわかりませんが、登場人物の顔を忘れないためにもできるだけ早く上映してほしい。また、変にロマンスに走らず、このままハードボイルドにいってほしい。
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