作品情報 2022年フランス、ルクセンブルク、カナダ、オランダ映画アニメ 監督:ピエール・フォルデス 声の出演(日本語版):磯村勇斗、玄理、塚本晋也 上映時間109分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:横浜ムービル 2024年劇場鑑賞281本
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【ストーリー】
2011年、東日本大震災の発生直後、東京・新宿の銀行に勤務する小村(声・磯村勇斗)の妻キョウコ(玄理)は家に引きこもって地震のニュースをずっと見続けた挙句、失踪してしまった。
同じころ、小村の同僚の片桐(塚本晋也)が自宅のマンションに帰宅すると人間と同じ大きさのカエル(古舘寛治)がいて、次に東京を大地震が襲うがそれを防ぐために協力してほしいと呼び掛けてくる。
【感想】
小村、片桐、そしてキョウコを中心にちょっと不思議なエピソードが展開していきます。原作が村上春樹ということで小村夫婦のあれやこれやのエピソードは想像がつくのですが、片桐のカエルのエピソードは意表を突かれて驚いてしまいました。村上の短編は読んでいないのですけど「すずめの戸締り」チックな話ともいえますが、大地震というと不思議なことが起きるのでしょうか。
寓話が並んでいるだけで理路整然とした話でもなく、結局、何がどうなったのかわからないエピソードばかりです。しかし、このアンニュイなまったり感も村上春樹原作といえば何となく納得できてしまうから不思議。ヌードなどHなシーンはあるけれど、いかにもなキャラクターデザインのおかげか、エロさはまったく感じないのも不思議です。
撮影は独特で俳優が実際の演技をしたのをもとに、アニメーションを制作しています。日本語の原作から英語の脚本ができて、フランス語のアニメとなって、その日本語版を日本でみるという国際色豊かな作品。その過程の間に異文化、異言語で微妙な違いが増幅しているのでしょうか、えもいわれぬ雰囲気を味わえます。
日本語版は「淵に立つ」の深田晃司監督が演出しており、声優は実写畑の俳優がメインとなっています。磯村は最初彼ときづきませんでしたが、冴えないサラリーマンの演技もできるのかとちょっと感心。また、なんといってもカエルの古舘の声がはまりすぎていて、これまた作品に不思議なニュアンスを与えてくれます。
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