作品情報 2022年アメリカ、イギリス映画 監督:ジョセフ・ウィンター、ヴァネッサ・ウィンター 出演:ジョセフ・ウィンター、メラニー・ストーン、ジェイソン・K・ウィクソム 上映時間87分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:キノシネマみなとみらい 2024年劇場鑑賞297本
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【ストーリー】
突撃系ユーチューバー、ショーン・ルディ(ジョセフ・ウィンター)はあまりの迷惑な撮影ぶりに大炎上し、アカウントを一時停止されファンやスポンサーからも見放されてしまった。ようやく再開できたルディは、起死回生の配信として、アメリカ最怖の幽霊屋敷からライブ中継することにする。
これまで数々の犠牲者を出したという、森の奥にある屋敷に入ったルディ。だれもいないはずなのに階段がきしむなどの怪奇現象が次々に起きる。さらに想像を絶する恐怖が遅い…
【感想】
緩急の付け方が非常にお見事。ショーンは感情の起伏が激しくて、幽霊屋敷に入る前はさんざん威張り散らして、カセットでホラー映画のBGMをながすほどのハイテンション。しかし、幽霊屋敷のなかで怪現象が起こるたびに、泣きそうになりながら毛布を頭からかぶる。このショーンの妙なビビり具合は、下手なジャンプスケアよりもこちらの恐怖心を呼び起こさせてくれました。
さらに、ライブ配信機能を上手く使って、視聴者とのやりとりも面白い。怖がっているショーンを焚きつけて、幽霊屋敷の奥にいかせるような挑発的な投稿もあれば、なんとかつて幽霊屋敷に暮らしていた老人までも視聴者として登場。当時の歴史を動画で伝えるなど、ショーン一人で幽霊屋敷に入ったはずが、何万人もの応援団(それも迷惑な)と一緒にいるつもりになります。
ここからがちょっとネタばれですが、幽霊屋敷にいる悪霊たちにはなぜか物理攻撃が効きます。女の悪霊に大事なところをかまれたり、男の悪霊の急所をけってひるんだところを逃げたりと、前半の脅かそう脅かそうが一転、後半に入ると命がけの格闘となり、ショーンのガタイがいいだけに雑魚幽霊とは良い勝負になるのも笑えます。いや、ここまでリアルファイトが続くホラーというのもあんまりなさそうで、本当に笑いと怖さがミックスしていました。
ダクトテープが最強とか、ハンディカメラを予想外のところに取り付けるとか、笑えるシーンも多いのだけど、ショーンがひたすら必死にテンション高くてやっているので、みているこっちも文句をつける前に一緒に応援したくなります。まさにアトラクションムービーですね。撮影も基本的に幽霊屋敷だけだし、監督兼務のウィンターが全編でずっぱりでギャラも安いだろうし、低予算をアイデアで十分カバーしてます。
ショーンの出オチというべき、いかにも迷惑ユーチューバーで人生落ちこぼれみたいな外見もいいですが、ホラー映画ではわりと僕は突っ込んでしまう悪霊の造型が本作では映画の内容のチープさにぴったり。劇中でリングの言及はあったけど、作りてもホラーファンだということがひしひしと伝わってきます。また、ショーンの動画ファンというw 女性ユーチューバーのクリッシ―(メラニー・ストーン)のカジュアルな美人ぶりが、徹底的に受けた。ラストは正直、矛盾しているのではとも思ったけど、細かいことはきにせず満腹感で映画館を出ました。
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