作品情報 2023年アメリカ映画ドキュメンタリー 監督:フレドリック・ワイズマン 上映時間240分 評価:★★★(五段階) 観賞場所:シネマ・ジャック&ベティ 2024年劇場鑑賞302本
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【ストーリー、感想】
創業以来94年、親子三代にわたってミシュランの三つ星を守り続けているトロワグロ。食材の仕入れ、メニューへのこだわり、シェフたちの芸術的な調理、客との会話などトロワグロについてあますことなく描いたドキュメンタリー。
全米映画批評家協会賞など、数々の栄誉に輝いた作品。 ワイズマン作品は演出、ナレーションを一切排して、数分程度のシーンを脈絡なく次々とつなぎ合わせるというのが特徴で、フレンチの名店といえども、1レストランのことを4時間もよく題材があるなと事前には思ってましたが、さすがはワイズマン監督、しっかりまとめていると感心します。
ただ、僕は彼の作品はそれほど好みでなく、途中、うつらうつらも。仕入れ、調理、客が食べる姿というシーンが時系列に関係なくいったりきたりしていますし、人間関係の説明は一切なし。普通のドキュメンタリーではせめてテロップぐらい出しますが、本作ではそうしものもなく、現実を淡々と提示するけれど解釈は一切しないという手法もちょっと苦手かな。
極上のレストラン体験とありますけど、普段、食べたことのない食材、調理法が多くてうまいのかどうかさっぱりわかりません。田園地帯にあるため、周囲の市場や有機農法の農場を回る姿をはじめ、食材へのこだわりは理解できましたけど、値段も、この程度のもので日本円にしたらこんなにするのかという思いがでてしまい、正直「ポトフ」のほうが、一流の味を描いていると感じました。
トロワグロ氏が日本食に影響を受けていると話しているのは興味深かった。また、調理場面では、よくあるドラマと違って怒鳴り声とか焦る姿は一切なく、一流店というのはこういうものかと関心しました。ただ、シェフと会話するシーンなどで取り上げられた客の全員が白人だし、スタッフも東洋人が2人いた意外は白人。結局、超一流フレンチというのは白人のものなのかなとも思ってしまいました。そもそも、「ニューヨーク公共図書館」「ボストン市庁舎」にあった、現状をありのまま写すことで描かれる現代社会の混迷みたいなのは一切なかったですし。
4時間の上映時間ですがちょうど真ん中あたりに10分の休憩があったのは助かりました。映画を観た後調べたのですけど、ギネス世界記録に認定された世界最長映画は857時間(1カ月以上!)もあるそうで、4時間程度で長いなんていってはしょうがないかもしれません。
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