作品情報 2023年イギリス映画 監督:ニダ・マンズール 出演:プリヤ・カンサラ、リトゥ・アリヤ、アクシャイ・カンナ 上映時間104分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:ヒューマントラストシネマ渋谷 2024年劇場鑑賞306本
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【ストーリー】
ロンドンのパキスタン系移民の女子高生、リア(プリヤ・カンサラ)は、将来はスタントウーマンになるのが夢。イスラム教徒の両親(ショウブ・カプール、ジェフ・ミルザ)はあきれ顔だが、大好きな姉のリーナ(リトゥ・アリヤ)だけが応援してくれた。
美大に通っていたリーナは自分の才能に絶望して、不登校になってしまう。両親に連れられて出席したパキスタン系移民のパーティーで、イケメンの金持ち、サリム(アクシャイ・カンナ)と意気投合したリーナは交際1カ月で婚約してしまう。大好きな姉を奪われることに反発したリアはサリムのことを嫌い、弱点を探る。そして、母親のラヒーラ(ニムラ・ブチャ)にべったりのマザコンだということを知り、さらに秘密を探ろうとするのだが…
【感想】
途中までは姉を取られるリアの被害妄想が暴走したのか、それとも本当にサリムが悪人なのかわからないまま続きます。この部分を引っ張れば面白かったのですけど、予告編でいろいろネタばれ。まあ、ラヒーラがあからさまに悪役メイクをしていたのですけどね。
リアが空手を習い、スタントウーマンの夢を語る割には喧嘩に弱いのは笑いどころ。クラスの女ボス、コヴァックス(ショナ・ババエミ)や姉とのタイマンシーンは、格闘ゲームのように「リアVSコヴァックス」とかいうタイトルがでてきて笑いを取りました。BGMでパキスタンやインドの曲のほか、日本の1970年のヒット曲、浅川マキの「ちっちゃな時から」がかかり、クライマックスのパーティではインド映画チックな派手なダンスもあって、笑えましたけど。
リアとリーナの文字通りのシスターフッドもいいですし、クラスではカースト下位で処女グループとからかわれているリアが、同じような冴えない白人の女の子アルバ(エラ・ブルッコレリ)と黒人の女の子クララ(セラフィーナ・ベー)と親友で、ともに姉のピンチ?を助けるために活躍するというのもシスターフッド味。
正直、もう少しシリアスでアクション寄りの作品かと思いましたが、ハイブロウなユーモアと一昔前のカンフー映画のようなアクションがところどころ入っている感じで、予想とはちょっと違いました。さまざまな映画のごった煮風情になっているのがいとをかし。監督自身がパキスタン系女性のせいか、西洋とイスラム圏の女性に対する考えの違いも入っているのも面白い。基本的に男性がダメ男で、敵も味方も活躍するのは女性だけというのは、フェミニズム映画といえるのでしょうね。
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