作品情報 2023年日本映画 監督:佐伯龍蔵、緑茶麻悠 出演:佐伯龍蔵、緑茶麻悠、湯山大一郎 上映時間120分 評価:★★★(五段階) 観賞場所:テアトル新宿 2024年劇場鑑賞307本
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【ストーリー】
売れない映画監督の龍蔵(佐伯龍蔵)と麻悠(緑茶麻悠)は、アルバイトで何とか糊口をしのいでいたが、生活は苦しくなるばかり。親から借金をしてその場をしのいでいる。
次回作にはお金の問題を取り上げたいと考えていた二人だが、ある晩、うさんくさい麦藁帽をかぶった旅人(湯山 大一郎)が訪れ、1万円札ときれいな石を並べ、お金の価値は何かを問うてくる。そこから、2人の夢か真かわからない、お金の真実を探る旅が始まる…。
【感想】
テアトル新宿の田辺・弁慶映画祭特集で観に行きました。予告編からして期待していったのですが、佐伯が高校生のころから地域通貨をはじめお金の在り方について真剣に考えていたため、思いが熱すぎて今一つ伝わってこなかったというのが正直なところ。ところどころうたたねしました。
僕の観た回では終了後、2人とチュートリアルの2人によるトークショーが行われ、それをみて自分もちょっと腑に落ちる部分がありました。お金の真実を探る旅では、地域通貨を利用しているコミュニティやアプリを開発した非営利企業に行って話を聞きます。この部分はフィクションとノンフィクションが融合したような描写ですけど、実際に実践している人たちが何人も登場してきます。
彼らの話は少人数のコミュニティだから通用するのであって、結局は根本的な解決策にならないよなという思いが一つ、それから、風貌もそうだし、言ってることもそうですが、ちょっと僕からするとうさんくさく想えたことも一つあり、この部分は正直、ついていけませんでした。特に好意的に取り上げている電子地域通貨アプリeumoの武井浩三代表は、先日、「日本の大手上場企業、金融機関の上位株主がほとんどユダヤ系」と発言して、個人投資家界隈でプチ炎上したばかりですし。
一方で、現在の株主資本主義に行き過ぎを感じる人もいるでしょうし、日々の生活がお金に振り回され、疑問を持っている人もいるでしょう。地域通貨がその解になるかはわかりませんけど、単に愚痴を言うのではなくて、何が原因か突き詰めようとする姿勢は立派だと思いました。映画で紹介された本の「エンデの遺言」の存在は知りませんでしたが、機会があれば読もうと思い、購入しました。
また、謎の人間大の鳥のような衣装をまとった人物など、幻想的な場面もしばしば。地域通貨のコミュニティは自然豊かなところにあるので、美しい風景をカットする手法も、うまくとらえているという感じはしました。お二人の作品は初めてでしたが、次回作は何を取り上げるのか、刮目して待ちたいと思います。あと先日の「スミコ22」もそうでしたが、インディーズ映画の最中の謎ダンスって好きなんですよね。
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