作品情報 2022年スペイン映画 監督:ラウル・セレソ、フェルナンド・ゴンサレス・ゴメス 出演:ソリオン・エギレオル、グスタボ・サルメロン、パウラ・ガジェゴ 上映時間96分 評価:★★(五段階) 観賞場所:イオンシネマ座間 2024年劇場鑑賞317本
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【ストーリー】
連日40度以上の猛暑となっているスペイン。年老いた母のローザ(アンヘラ・ロペス・ガモナル)が突然、自殺したため父のマニエル(ソリオン・エギレオル)を引き取ることになったマリオ(グスタボ・サルメロン)一家。
ところがマニエルは不審な言動を繰り返し、エスカレートしていく。マリオがなだめても話が通じない。マリオの後妻のレナ(イレネ・アヌラ)は施設に入れるよう主張し、祖父母が大好きの孫のラウラ(パウラ・ガジェゴ)と衝突する。家族の不協和音が頂点に達したころ…
【感想】
映画では日々、マドリッドの気温が画面に現われ40度以上の日が続いているのだけど、登場人物がまったく暑そうにみえないのですよね。今の東京の街並みのほうがはるかに暑そう。だから、公式サイトでは暑さで老人がおかしくなったようにあるけれど、そのへんが伝わってきません。
マニエルの不審な言動も認知症としてみれば、どこの家庭でも起こりえること。それに対する家族の意見の不一致も、これまたありそうな話で、介護をめぐるホームドラマにすればいいのに、ホラーにするからちょっとちぐはぐ感。特に、BGMがいかにもホラー映画の今から怖いシーンがはじまるという感じのやつをしょっちゅう流して、こっちが麻痺しそうになるほど。不気味なシーンは無理にBGMもつけなくても十分、不気味なのにと思ってしまいました。老人同士のHのシーンを醜くとっているなど、年をとりたくないなと、さんざん思わせてくれる嫌な感じはホラーサスペンスぽくて良かったのですが。
また、マニエルだけでなく周囲の老人も徐々におかしくなっていくよう描かれていますが、ここのところも演出が不明確。もともとの性格なのか、それともどんどんおかしくなっていくのかがわかりにくかった。まあ、クライマックスのカオスぶりは笑ってしまいましたが。
ナイラ役のパウラ・ガジェゴがセクシーな体つきと、祖父母大好きな甘えん坊のところのアンバランスさがツボに入り、彼女の前作「パラミドロ」を見たくなりました。また、彼女が恋人のJ(ファン・アセド)から、Jのあだ名の由来を聞こうとするたびに邪魔が入るという演出は、三谷幸喜の赤い洗面器の女ぽくて、洋の東西を問わず似たようなことを考えるなと苦笑しました。
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