作品情報 2024年日本映画 監督:榊原有佑、武桜子、野田麗未 出演:山下幸輝、桃果、坂井真紀 上映時間111分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:新宿ピカデリー 2024年劇場鑑賞326本
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【ストーリー】
デビュー作で新人賞を取ったものの、その後、漫画を描けなくなった堀マモル(山下幸輝)。彼のもとに小学生の海(宇陽大輝)、中学生の樹(斎藤汰鷹)、高校生の愛(竹原千代)という3人の幽霊が現れる。彼らの果たせなかった物語を漫画に書かせてあげるというのだ。
一方、マモルは何よりも大切な存在だった佐倉春(桃果)との約束が果たせないことが心に引っかかっていた。マモルは3人の幽霊との出会いで、自分の過去にも向き合い始める。
【感想】
シンガーソングライターのsetaが原作、音楽を手掛けており、いろいろツッコミどころはあるとはいえ、アイデアは豊かだと思いました。前半の幽霊との会話の意味が分かってくると、ああ、なるほどと納得します。ただ、監督がなんで3人もいるのだろうとちょっと不思議に。
ネタばれをしないで感想をいうのは難しいのだけど、海たちのような幽霊はだれにでもいるはずで、それと向き合えるというのは幸せなことだなと思いました。実際、僕みたいな年になると後悔は山のように積もっていくわけで、まだ、若いうちにその後悔が振り払われるというのはうらやましい限りです。
その彼らの物語を書くことで、漫画家として再び意欲が出てくるというわけなんですが、世の中そう簡単にいくのかなと冷ややかに思ったことは事実。まあ、仕事には厳しい担当編集者(岡部たかし)をはじめ、登場人物はモブを除けば皆、優しい人ばかり。こういう世界観は、疲れている現代人を癒すにはぴったりかもしれません。とはいえ、BGMも含めてあまりにも甘すぎるのも、おっさんから見るとちょっと乗り切れなかった。
山下と桃果というフレッシュなコンビはこういう物語にぴったり。さらに、岡部、坂井やなぜか竹中直人や三浦貴大まで脇に配したベテラン陣がきちっと物語を締めます。子役のうち、斎藤はドラマの「しょせん他人事ですから」のメインゲストで観たばかり。売れっ子子役なんだなあ。
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