作品情報 2024年日本映画 監督:三谷幸喜 出演:長澤まさみ、西島秀俊、坂東彌十郎 上映時間114分 評価:★★★(五段階) 観賞場所:横浜ムービル 2024年劇場鑑賞335本
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【ストーリー】
詩人で大富豪の寒川しずお(坂東彌十郎)の妻、スオミが突然失踪した。寒川は家出だろうと取り合わないが、寒川の世話係の乙骨直虎(戸塚純貴)は、スオミの前夫の草野圭吾(西島秀俊)に誘拐ではないかと相談、草野と彼の部下の小磯杜夫(瀬戸康史)がこっそり捜査をすることになる。
実はスオミは過去4回離婚しており、最初の夫、魚山大吉(遠藤憲一)、2番目の夫、十勝左衛門(松坂桃李)、3番目の夫、宇賀神守(小林隆)も寒川の屋敷に集まる。だが、彼らの話すスオミの印象はまったく違っていた。果たして…。
【感想】
スオミとはフィンランド語で「フィンランド」の意味。スオミのお父さんが熱烈なフィンランド好きで、自分の娘に名付けた設定です。実は大学時代の知人に、その通りの理由でなづけられたスオミさんという方がいて、もしかして、三谷幸喜がその人をモデルにしたのかと思ったのですが、単なる偶然みたいで残念。
作品の8割ぐらいが寒川邸が舞台という、いかにも演劇チックな作品。過去の回想シーンも交えて、コメディテイストが進みますが、うーん、何がおかしいのかよくわからないセリフも多かった。ジーパン刑事なんて、僕みたいな50代半ばでやっと分かるぐらいでしょうから、もっと若い人は何のことやらわからないでしょう。
まあ、男性陣は三谷作品特有のちょっとずれた会話劇を延々と続けて、三谷組初参加であろう西島がちょっと浮いた感じをだしているのは面白かった。それより何よりも長澤まさみの独壇場。5人の夫・元夫からは全然違う人格に見えているけど、その通りに演技を使い分け。さらに、セーラー服を着て女子高生時代を再現するシーンは、母親役も彼女が演じており、ただただ、彼女の迫力に圧倒させられます。
そして、長澤のうたう「ヘルシンキ」の歌の耳にこびりつく中毒性。このシーンは三谷幸喜のショーマンシップが炸裂。映画の中身なんかどうだってよくて、この歌さえ聞ければいいや、とすら思えてしまいます。
僕は学生時代にフィンランドに旅行したことがあるのですけど、当時は自然豊かな半面、経済的には冴えない国でした。しかし、今ではまったく違うのだろうなあ。フィンランドというとアキ・カウリスマキ作品のような陰鬱なイメージもあるのだけど、ここまで能天気というのは日本で作られたからなんでしょうね。
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