作品情報 2022年日本映画 監督:岡元雄作 出演:秋月三佳、濱正悟、北原里英 上映時間123分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:イオンシネマ座間 2024年劇場鑑賞390本
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【ストーリー】
アラサーOLの永田遥(秋月三佳)は男運が悪く、婚活に乗り出すも失敗ばかり。同僚で会社一のモテ男、桂木一輝(濱正悟)に「恋愛を前提にしているから婚活に失敗する」と言われ、最初は反発するも彼を師匠と仰いで婚活にまい進することに。
遥の同僚で派遣社員の天野美月(北原里英)は安月給の将来で恋愛結婚に見切りをつけていた。婚活相手で彼女をのぞこうとした佐島武志(芹澤興人)をとっちめる。マザコンで女性と付き合ったことのない佐島相手にパパ活して金儲けしようとする。
一輝の兄の匠(栗森涼)は小泉広海(野島健矢)と同棲していた。しかし、いっこうに手を出そうとせず、広海はゲイカップルだから先に進まないのではと疑心暗鬼になる。
広海のカフェのバイト仲間で女子高生の佐藤乃愛(古澤メイ)は大手広告代理店のモニターとなる。担当社員の井上悠人(辻川慶治)は東大出身だけが取り柄の天然男。女性向け商品のモニターなのに、女心がまるで分らない彼に、勉強をみてもらうかわりにアドバイスをしていく。
【感想】
いわゆる定番の恋愛ができない4組の男女が、それぞれの幸せをみつけていくものがたり。脚本を手掛ける岡元監督が実際に婚活をした体験をいかしての作品だそうです。4組のうち、1組がゲイカップルというのは今風です。また、マザコンの佐島、勉強ばかりで人の心がわからない井上と、男性のほうがちょっと情けないのも特徴。
牛窪恵さんの「恋愛結婚の終焉」という本があり、桂木のいう「恋愛を前提にしているから婚活に失敗する」とほぼ同じような発想です。実際、恋愛結婚は結婚時が盛り上がるピークであとは減点ばかり、一方で見合い結婚は結婚がスタートであとは加点方式となります。このため、離婚率は恋愛結婚が4割なのに見合い結婚は1割にとどまっているとか。前半はこうした一輝の話す結婚のうんちくも一つの見どころとなっています。
さて、匠と広海を除く3組は、恋愛巧者が恋愛下手の人に教えるという点で共通しています。遥も婚活相手の財産にくらっときたりして、ダメだなあと思わせるのですが、特に佐島は覗きは犯罪で、警察に突き出されてもおかしくない。また、井上と乃愛は一回り年が離れています。それなのに仲良くなるというのは、モテない男にとってはファンタジー的展開で心地が良い。
イケメンオーラの濱正悟の存在感はさすが。秋月とも喧嘩しながらじゃれあう良いコンビになっています。一輝の婚約者役で秋山ゆずきが起用され、クレジットでは止めになっていますけれど、彼女も出番は少ないながらおいしい役どころ。その他の出演者では芹澤の相変わらずのダメ男ぶりに、北原のドS女が良い組み合わせ。ノースター映画で、各カップルごとのエピソードをつなげるグランドホテル方式の作品なだけに、各俳優がいずれも適役だったのは良かったです。
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