作品情報 2024年韓国映画 監督:チャン・ジェヒョン 出演:チェ・ミンシク、キム・ゴウン、ユ・ヘジン 上映時間134分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:新宿ピカデリー 2024年劇場鑑賞397本
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【ストーリー】
韓国では墓の場所が風水的に悪いと子孫に祟ると信じられている。巫堂(祈祷師)のファリム(キム・ゴウン)と弟子ボンギル(イ・ドヒョン)は、アメリカ在住の韓国系大富豪、パク・チヨン(キム・ジェチョル)から、一家に怪死事件が相次ぎ、生まれたばかりの赤ちゃんも重病になっていると相談を受け、原因が韓国の山中にある先祖の墓であるとつきとめる。
2人は墓の場所の風水を調べるベテラン地官サンドク(チェ・ミンシク)と葬儀師ヨングン(ユ・ヘジン)に協力を仰ぎ、墓でのお祓いと埋葬遺体の火葬を同時に行おうとする。しかし、そこはとんでもない恐ろしい呪いの場所で…
【感想】
怖いよりも楽しいタイプのアクションホラー。メインの4人がチームとなって怪異にあたるのですが、悪霊に対して無敵というわけではなく、知恵を絞って四苦八苦して戦うので、戦いの結果がどうなるかがみものです。また、当然といえば当然ですが、プロとして仕事上のつながりのため、金銭関係も含めあまりウェットになっていないのがいい。「来る」とか好きな人にお勧めです。
アクションといっても物理的?な戦いシーンもありますが、いかにも東アジアホラーの祈祷の様子は観ていてたのしい。どら、鉦、太鼓を叩いて、巫女さん衣装を来たファリムがいかにもの舞を踊り、ボンギルたちがこれまたお経のような歌を歌うというのは、韓国ホラーでは「哭谷」のファン・ジョンミンのシーンを思い出しますけど、それよりもねっとりと何度もしていました。
さらに、怪異が悪霊だけでなく、字幕では精霊と翻訳されていましたけど妖怪というか死霊というか、完全にアクションホラー系の怪物だというのも面白い。棺の周りにもち米をまいて、馬の血をかけるなど、韓国ならではの呪術も堪能できました。クライマックスではファリムの姉妹弟子?も駆けつけるなど、アクションとして胸が熱くなります。一方で、いかにも何か出そうな山の中をはじめ、全体的に明度を抑えめにして不気味な感じをだす撮影はお気に入り。驚かせるだけでストーリー的には無意味なジャンプスケアがないのも好感です。
ただ、話が複雑な上テンポが早い為、何がどうなっているのかわからないうちにドンドン進んでいきます。また、前半は大日本帝国、後半は豊臣秀吉の朝鮮出兵が背景になっており、最初はピンときませんでしたが、観終わってからネットで情報を整理し、納得しました。関ヶ原の戦いは朝鮮出兵の後なんですよね。反日とかいう批評もネットで観ましたけど、歴史的にこの程度はありじゃないでしょうか。僕は完全に日本史の悪霊よりも、ファリムたちを応援していましたし。
チェ・ミンシクは観るたびに恰幅がよくなり、貫禄がつく感じ。韓国のトップ俳優の一人です。ユ・ヘジンは眼鏡をかけていかにも神経質そうな役もできるのかとびっくり。キム・ゴウンとイ・ドヒョンは、韓国で大ヒットした本作で次世代のスターにブレイクしそう。なお、韓国映画で日本が悪役のときに、へんな日本語を使う作品が多いことに辟易としていたのですが、本作は悪霊役の声優に小山力也を起用し、日本語のセリフが満載です。こういう使い方が観たかったんですよね。
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