作品情報 2024年日本映画 監督:草野翔吾 出演:黒木華、中村蒼、藤間爽子 上映時間105分 評価:★★★(五段階) 観賞場所:川崎チネチッタ 2024年劇場鑑賞401本
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【ストーリー】
ウェディングプランナーの梓(黒木華)は結婚願望がなく、恋人の澄人(中村蒼)との仲も進まなかった。ある日、中学校以来の親友、叶海(藤間爽子)が海外で事故死したとの連絡が入る。
一方、叶海の両親の優作と朋子(田口トモロヲ、西田尚美)は児童養護施設の子供たちから叶海あてにメッセージカードを受け取る。娘のことを忘れられない朋子は、叶海のスマホにこまめにメッセージが送られているのに気づく。そのころ、梓の姉でホームヘルパーの範子(安藤玉恵)は小倉こみち(草笛光子)という老婦人の家で働くことになる。彼女こそが、中学生のころの梓(近藤華)と叶海(白鳥玉季)にとって忘れられない人物だった…
【感想】
まだ若い叶海の死を引きずる両親や親友の心の痛みを、思わぬ縁がある周囲の人たちによって和らいでいく物語。心の再生のためには人間のつながりが重要で、まさに「相見互い」というわけですが、中学時代の梓がいじめにあっていた描写をのぞいて、登場人物がことごとく善人というのがどうしても絵空事っぽく思えてしまいます。
また、登場人物たちが知らぬ間に少しずつ縁ができているというのも、ちょっとフィクションぽくて良い話にするために作っているような感じ。まあ、心が素直だったら楽しめたのかもしれませんが、とにかく甘くかつ薄味に思ってしまいました。もっとも、現実が厳しいからこそ、フィクションは心暖かくというのはわからないでもないですけど。
黒木の芸達者ぶりはさすがで、主題歌「夜明けのマイウェイ」も歌っています。一方、藤間が彼女の親友役としてためを張る存在感を見せたのはなかなかのものでした。さらに、草笛や梓の母親役の風吹ジュンをはじめ、ベテランを取り揃えた配役も渋い。一方で、白鳥は相変わらず邦画には欠かせない子役。このまま順調に成長していってもらいたいものです。
脚本は2020年に亡くなった佐々部清(半落ちなど監督)のほか、草野監督、市井昌秀(箱入り息子の恋など監督)の3人の映画監督による共同脚本。コロナで制作が一時中断していたそうですが、無事に映画化できてなにより。佐々部監督らしい、人間の優しさが全面にくる作品となっていました。
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