2024年11月30日

ドリーム・シナリオ

 世界中の人の夢に、同じ平凡な男が登場するドタバタを描いたスリラー。予告編だともっとコミカルよりかと思いましたが、割とシビアな展開にちょっとびっくりしました。

 作品情報 2023年アメリカ、カナダ映画 監督:クリストファー・ボルグリ 出演:ニコラス・ケイジ、ジュリアンヌ・ニコルソン、マイケル・セラ 上映時間102分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:イオンシネマズ座間  2024年劇場鑑賞434本




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 【ストーリー】
 大学教授のポール・マシューズ(ニコラス・ケイジ)は、愛する妻のジャネット(ジュリアンヌ・ニコルソン)と2人の娘(リリー・バード、ジェシカ・クレメント)と平凡だが幸せな家庭を築いていた。だが、ポールは自分の著書をどこの出版社も出そうとしないことに腹を立てていた。


 ある日、久しぶりに偶然出会った元カノのクレア(マーニー・マクフェイル)から、夢にあなたが出てきたといわれ喜ぶポール。ところがクレアだけでなく、多くの人の夢にポールが登場していたことが判明。ポールは一躍有名人になり、テレビ出演も果たす。広告会社のトレント(マイケル・セラ)は、ポールをプロデュースしようと持ち掛ける。有頂天になったポールだが、思わぬ不幸が待っており…


 【感想】
 同じ人物が多数の人の夢に出るという都市伝説はあり、6月に公開された邦画のホラー「THIS MAN」でも描かれています。予告編ではいろんな人の夢にポールが登場して、そこがメインになるのかと思いきや、夢だけあってそれぞれのシーンは短いもの。しかし、本作は「シック・オブ・マイセルフ」でSNS時代の自己顕示欲の恐ろしさ、虚しさを描いたクリストファー・ボルグリが監督、脚本を手掛け、「ミッドサマー」のアリ・アスターがプロデュースしたことがあり、ホラーというよりも、SNSの炎上やキャンセルカルチャーについての強烈な風刺となっています。


 ポール自身は自己顕示欲が強く、ひがみぽいとはいえ、小心なごく普通の男です。夢に出てくるのはポールが何かしたわけでもないですし、本人に何の責任もありません。にもかかわらず、あっという間に有名人になり、メディアでも持ち上げられ大金が動く。まさに現代のドリーム・シナリオです。


 しかし、物語は反転します。ここでもポールが悪いわけではないのにネットで大炎上どころか、実生活まで脅かされます。実際にXでの炎上騒動とかみていると、不用意なポストで実生活に支障がでている人もいっぱいいますし、過去の言動が掘り起こされて、現在の自分と関係がないのに非難される人がいます。ポールがどんどん不幸に陥るのを、笑うにせよ同情するにせよ、似たようなことがだれにでも起きてもおかしくない時代になったといえましょう。


 主演がネットでいじられているニコラス・ケイジだというところがうまい。得意げな表情から困惑してどん底になる姿まで、ただいるだけなのにすごい存在感。特に若い女性に言い寄られたのにろくに何もできないどころか放屁までしてしまう情けなさは彼でしかできないところ。ポールが分相応な幸せに満足してれば、こんな悪夢のような展開は起きなかったのにとついつい思えてしまうのも、ニコラス・ケイジならではの演技でした。
posted by 映画好きパパ at 06:48 | Comment(0) | 2024年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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