作品情報 2024年アメリカ映画 監督:リドリー・スコット 出演:ポール・メスカル、デンゼル・ワシントン、コニー・ニールセン 上映時間148分 評価:★★★(五段階) 観賞場所:横浜ムービル 2024年劇場鑑賞436本
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【ストーリー】
ローマに滅ぼされたアフリカの都市ヌミディアの戦士、ハンノ(ポール・メスカル)は戦いで妻のアリシャット(ユヴァル・ゴネン)を殺され、自らは奴隷として剣闘士に落とされた。彼はローマ軍を指揮したアカシウス将軍(ペドロ・パスカル)への復讐を誓う。
ハンノを買った奴隷商のマクリヌス(デンゼル・ワシントン)は奴隷出身ながら莫大な富でローマの政界の黒幕だった。彼は双子の皇帝ゲタ(ジョセフ・クイン)とカラカラ(フレッド・ヘッキンジャー)の御前試合で活躍したハンノを陰謀に利用しようとする。一方、アカシウスの妻ルッシラ(コニー・ニールセン)はハンノをみて驚く。彼こそ(前作の主人公の)マキシマス(ラッセル・クロウ)との間にできた実の息子ルシアスが成人した姿で、ローマ皇帝の正しい血筋の持ち主だったのだ…
【感想】
映画の製作年代と合わせて、物語も前作から20年以上たった時代に設定。1作目で子役が演じたルシアスはハンノと名前を変えて、成人しています。ただ、ストーリー的には腐敗したローマを立て直そうとした亡き父マキシマスの偉業を継いで、悪者たちを退治しようという、よくある勧善懲悪です。
さらに、母子関係が異様にクローズアップされていて、ハンノはマザコンかと思うほど、いい年して幻の母をおっかけます。物語が混迷したのはルッシラがひとえに悪くて、幼い息子を手放し自分は将軍の妻として贅沢に暮らしていたのに、息子が成長するとこちらも息子べったり。マクリヌスよりも彼女の存在の方がよほどうざく、さっさと痛い目に合わないのかとずっとみていました。
スターウォーズの新作にしてもそうですけど、血筋や親子の物語をアクション大作の柱に据えるのはおなか一杯という感じ。さらに、前作は一応史実とそれほど離れなかったのですが、今作は勧善懲悪で終わっています。ローマはこの時代のあとにますます混迷するのにいいのか、そんなことで。
ストーリーには文句たらたらなんですが、アクションシーンはリドリー・スコットらしくてワクワクするもの。冒頭のヌミディア攻防戦も迫力がありましたが、剣闘士のシーンでは闘技場に水をためてサメを何匹も泳がせながらの戦いは、いきなりサメ映画になってびっくりしました。クリーチャーのような造型の巨大サルにもあんぐり。ただ、ポール・メスカルってアクション俳優の印象がないどころか、内省的な役柄の印象しかなく、トレーニングはしているのでしょうけど体つきも平凡。なんで彼が主役に起用されたのかも不思議です。デンゼル・ワシントンの悪役も意外でしたが、さすがの存在感を示していました。
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