作品情報 2024年日本映画 監督:藤井道人 出演:横浜流星、山田孝之、吉岡里帆 上映時間120分 評価:★★★(五段階) 観賞場所:立川シネマシティ 2024年劇場鑑賞440本
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【ストーリー】
一家3人を殺害した罪で死刑判決を受けた鏑木慶一(横浜流星)が移送途中に脱走した。変装して、大阪、東京、長野と各地を転々とする慶一。彼は冤罪だと叫んでいたが、脱走して何をしたかったのか。
捜査責任者の又貫(山田孝之)は、鏑木が逃走中に出会った安藤沙耶香(吉岡里帆)、野々村和也(森本慎太郎)、酒井舞(山田杏奈)らに事情聴取をする。彼らが語った鏑木の姿は、およそ死刑囚とは思えないものだったのだが…
【感想】
予告編で良い所をかなりみせちゃっているのがもったいない。それはさておき、冤罪を訴える死刑囚が脱獄するというプロットは時折みかけるのだけど、本作も警察があまりにも無能すぎ。特に予告編にもあるけど、沙耶香の自宅から逃げ出すときなんで、完全に包囲をしいていないなんていうのはありえないなと思ってみてました。
また、他の3人との出会いのエピソードが中心だからしかたがないとはいえ、鏑木のキャラクターが薄っぺらい。終盤にとってつけたように説教じみたシーンが入るのも、なんだかなあという感じ。最も「室井」シリーズもそうだけど、最近の邦画はとってつけたようなお涙頂戴シーンが話題になっているのだから、制作側としては観客の「感動した」というコメントがもらえてうれしいのかもしれない。
けれども藤井監督が以前撮った「青の帰り道」「デイアンドナイト」「ヤクザと家族」といった、人間の業の深さが表れている作品群が好きな僕にとって、最近はわかりやすい感動を引き出そうとしているとしか見えないのですよね。
横浜を含めストーリーの中心的な俳優の演技は見ごたえがあります。横浜は「流浪の月」で悪役のDV男を演じてから、硬軟使い分けるよい役者になった感じ。また、山田の目の使い方をはじめとする立ち居振る舞いも見事でした。半面、藤井組の過去作にもでている人もはじめ、ベテラン俳優陣の演技は、役柄もあってか薄っぺらく感じてしまったのも否めません。もうちょっとではまりそうなのに、消化不良の作品だったというのが正直な感想です。
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