2025年01月04日

夏が来て、冬が往く

 一人っ子政策からの転換と女性の自立に揺れる中国の現状をナチュラルにとらえたホームドラマ。日本との違いに驚きつつも、主演のシュエ・ウェンの美人ぶりに感嘆しました。ただ、最後に中国映画特有のその後の経緯を知らせる字幕があったのに、日本語訳がなかったのはかなり不満。結局、骨髄移植はどうしたのだろう。


 作品情報 2023年中国映画 監督:ポン・ウェイ 出演:シュエ・ウェン、チェン・ハオミン、ゼン・ユンジェン 上映時間98分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:キノシネマみなとみらい 2024年劇場鑑賞467本



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【ストーリー】
 深センのキャリアウーマン、リン・チアニー(シュエ・ウェン)は、恋人のヤオ・ジーユェン(スン・シューボー)からプロポーズされたが、結婚後に家を購入するかで意見が合わず、返事を保留していた。幼いころ養子に出されたチアニーは家にこだわりがあったのだ。


 ちょうど探していた自分の実の両親の所在が分かったが、父親が亡くなりいきなり葬儀に参列することに。実母のパン・サンシー(ワン・ヤージュン)、長姉のチョン・ウェンフォン(ゼン・ユンジェン)、弟のチョン・ウェンロン(ワン・チー)のほか、もう一人、やはり養子に出された次姉のチャン・シャオリー(チェン・ハオミン)の5人が、海辺の小さな町にある実家に集まる。


【感想】
 予告編すらみずにどんな話か分からず、最初は中国の若者の生活苦についてかと思いきや、家族の問題をじっくり描いた作品でした。一人っ子政策が長らく続く一方、男の子が歓迎されて男尊女卑の風習が残っている中国の田舎。パン家は男の子が生まれるまで子供を産み続けたのでしょうが、女の子ばかりだったため2人を養子にだしたことが想像されます。また、地方なので裕福でもなかったでしょうし。


 一方、チアニーの養父リン・シャオバオ(ヤン・ハンビン)もそれほど豊かではなさそうですが、男で一つでチアニーを育て上げ、勉強をさせ大学にも行けます。実家に残ったウェンフォンが、女に学問はいらない、早く結婚しろと言われて高校すら出ていないのとは好対照。次姉のシャオリーも学歴こそないものの、夫と工場を経営しており、3姉妹それぞれの違った道が、現代の中国の変化を表しています。


 一方、まだティーンだったころのチアニー(リウ・グワンイー)は、妹のリン・チアシュエ(シー・リウ)ができ、養父が養子である自分にばかりつらく当たっているとストレスをためていました。このあたりの父娘のすれ違いが、同じ父親の身である僕からするとちょっとつらかった。さらに、ここまで淡々と描いていたのに、いきなり大きな出来事が挿入されるのも、うーんというところ。


 回想シーンでは「一人っ子政策を推進しよう」、現在では「子供を2人以上作ろう」というスローガンが町に張られているのをみると、もし、現在だったらチアニーも養子に出されなかったのにと思う一方、養子にでたからこそ、自立した現代風の女性になれたわけであり、人間の運命の複雑さというのを感じました。


 役柄もありますが、バリキャリ役のシュエ・ウェンは本当に美人。一方で、農村で生活にやつれている役のゼン・ユンジェンはメイクも薄く、かなり老けてみえてしまいます。本当に人間は置かれる環境によって全く違うのだと実感しました。
posted by 映画好きパパ at 06:00 | Comment(0) | 2024年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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