2025年01月09日

ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い

 2024年最後にみたのは、20世紀を代表するファンタジー、「ロード・オブ・ザ・リング」(LOTR)の番外編をアニメ化し、「攻殻機動隊」の神山健治監督がハリウッド資本で撮った本作。日本とアメリカのコンテンツ力を楽しめました。「LOTR」を観なくても楽しめるでしょう。


 作品情報 2024年アメリカ、イギリス、日本映画 監督:神山健治 声の出演(日本語版):小芝風花、市村正親、津田健次郎 上映時間134分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:109シネマズ湘南 2024年劇場鑑賞471本




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【ストーリー】
 「LOTR」の200年ほど前、誇り高き騎士の国ローハンの王女、ヘラ(声・小芝風花)は、馬を駆けて冒険に興じ、剣の腕も一流という活発な女性だった。父のヘルム王(市村正親)はそんな彼女をかわいがっていた。


 ローハンの王位を狙う西方の領主フレカ(斧アツシ)は、自分の息子でヘラの幼馴染のウルフ(津田健次郎)とヘラを無理やり結婚させようとして、ヘルムと対立。ヘルムを侮辱したため殴り殺されてしまう。復讐を誓ったウルフは軍勢を集めローハンに攻め入り、国とヘラの両方をわがものにしようとする。危険を察知したヘラは、自分も合戦に出たいとヘルムに願い出るのだが…


 【感想】
 原作が70年前のため、複雑なストーリーではなくて、むしろ古い時代の冒険譚をそのままよみがえらせた感じ。ただ、原作ではヘラの活躍場面はないどころか、王女には名前すらなかったそうで、彼女をヒロインに据えたというのは現代的といえましょう。キャラクターはよくある日本アニメの外国人顔という感じで、ファンタジー世界と考えれば当たり前ですが、黒人や東洋人のキャラがでてこないのは昨今では新鮮。このほか、多くの場面は本作のオリジナルですが、「LOTR」でおなじみの魔法使いガンダルフとサルマンもわずかだけでます。


 物語はいにしえの吟遊詩人が伝えて回ったといっても不思議ではない英雄譚。偉大なる王と、賢く強い姫が悲劇を乗り越えて巨大な敵に立ち向かう。しかも、復讐にはやり、巨大な戦力を持つウルフに苦戦させられるだけに、単純な勧善懲悪でなく、本当にロマンを感じさせる伝説として納得させられます。ヘルム自身も強大な腕力をもつとともに、狂気じみた一面も再現しているのが、いかにも古代の国王という感じでした。


 基本的には人間同士の権力闘争で、「LOTR」と違って人間以外の種族はほとんど出てこないのですが、モンスターは印象の残るシーンで登場して、ファンタジーであることを思い出させてくれます。雄大な大自然も、合戦シーンもモンスターが暴れるシーンもともに、日本アニメの匠さとハリウッドの資金力があわせさった贅沢に作り上げています。ディズニーなど米国アニメとも日本のアニメ製作会社とも違った印象を残します。


 声優陣は小芝の凛としたセリフ、市村の重々しさも見事なのですが、ウルフ役の津田健次郎が素晴らしい。ウルフの年齢より上に感じるかもしれますが、権力とヘラへの片思い、そして父の復讐などさまざまな感情がまざったうえ、どんどん醜い方へ行く人間の愚かさを見事に体現していました。




posted by 映画好きパパ at 06:09 | Comment(0) | 2024年に見た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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