作品情報 2024年日本映画 監督:新城毅彦 出演:赤楚衛二、上白石萌歌、中島裕翔 上映時間123分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:川崎チネチッタ 2025年劇場鑑賞6本
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【ストーリー】
2004年、沖縄の高校1年生、玉城美海(上白石萌歌)は病院で偶然、2つ上の先輩、真喜屋湊(赤楚衛二)と出会う。湊は母の由紀子(石田ひかり)を病気で亡くして自暴自棄になっていたが、明るい美海と出会ったことで、音楽家になりたいという夢に再び向き合うことになり、2人は付き合うことになった。
やがて、東京の大学に進学した湊の後輩となった美海。やがて湊はレコード会社に就職して幸せな日々を送るが、ある日突然、湊から別れを切り出される。失意の彼女を慰めたのは幼馴染の嘉陽田琉晴(中島裕翔)だった。月日は流れ2024年となり…
【感想】
湊役は若手俳優だったら他の人でもできそうな気がしますが、美海は上白石しかできないだろうと思わされる説得力のある演技に引き込まれました。まず、女子高生時代の美海は、上白石のパブリックイメージのとおり、ちょっとのんびり天然が入った明るい少女です。しかし、20年後の大人びた美海まで、しっかりとなりきっていて、正直、最初は上白石に似た女優でも起用したのかと思わされるほど。彼女の演技にすこぶる感心です。
また、序盤の沖縄の風景と音楽シーンがすばらしい。青い海と白い雲をバックに、美海と湊が原付バイクに二人乗りするシーンは、青春映画屈指の名シーンとして記憶に残りそう。さらに、琉晴の幼馴染で本命になれない気弱な二枚目役を中島が好演。3人の関係もいかにもありそうな気がしますし、じっくりと観られました。青春映画の名手、新城監督だけにクオリティも安心です。美海が2月29日生まれという設定をいかした脚本もなかなかのもの。
さて、時系列でいえば現代パートはがらっと趣きが変わるのですが、映画の構成ではまず現代パートがあって、その合間に過去のそれぞれの時間が入るという形になっています。よくある構成なんですけど、逆にいれば現代はこうなっているというのがわかってしまうのが難点。この手の話だったら素直に時系列でもいいのにと思いました。
美海の母親役の国仲涼子と、湊のバンド仲間の望月香澄(玉城ティナ)以外は沖縄県外の俳優を起用していますが、僕自身が沖縄と縁が薄いこともあり、いかにもの沖縄弁も心を癒してくれました。望月が沖縄弁がわからなくて戸惑うシーンは、個人的にちょっと受けました。なお、広瀬アリス主演のテレビドラマ「366日」も本作同様、HYの楽曲をモチーフにしていますが、まったく別物の話となっています。
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