2025年01月23日

帰ってきた正直政治家 チュ・サンスク

 市民捜査官ドッキで主役を務めたラ・ミランが女性政治家に扮するコメディ政治映画で「正直政治家 チュ・サンスク」(2020年)の続編。前作は未見のため最初は人物関係にとまどい序盤がのっさり感じましたが、わかりやすいつくりですぐに慣れました。

作品情報 2022年日本映画 監督:チャン・ユジョン 出演:ラ・ミラン、キム・ムヨル、ユン・ギョンホ 上映時間107分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:新宿武蔵野館 2025年劇場鑑賞15本

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 【ストーリー】
 元国会議員のチュ・サンスク(ラ・ミラン)はソウル市長選で落選して、今はただの人。故郷の江原道(韓国北東部、北朝鮮国境)の魚市場でバイトをしている。ある日、海でおぼれている青年を助けたことから一躍時の人となり、折からの道知事選に見事当選する。


 国会議員時代の優秀な秘書のパク・ヒチョル(キム・ムヨル)も駆けつけ、住民のために理想の政治を行おうと決意するサンスク。しかし、時がたつにつれ、道庁の陰の実力者である建設局長のテジュ(ソ・ヒョヌ)やゼネコンのカン社長(ユン・ドゥジュン)に付け込まれ、自分の利益ばかり考えるようになる。ある日、イメージアップしようと海中のごみ掃除をしていたところ、突然、亡くなった祖母(ナ・ムニ)が現われ、サンスクに嘘が付けなくなる呪いをかける。しかもヒチョルにまでそれが感染してしまった。本音ばかりをぶちまけるサンスクのせいで国をも揺るがす大騒動に…


 【感想】
 不動産屋が呪いで嘘を付けなくなる「正直不動産」がNHKドラマで話題を呼びましたが、不動産屋以上に嘘がつけないと困る職業の政治家。嘘が付けないどころか思ったことを次々に口走り、国際問題まで発展するほどですが、政治家はどうせうそつきだと思っている庶民からするとわかりやすい。


 正直になったサンスクの騒動はドタバタコメディー。北の委員長に向かって電話で直接、悪口をいったために江原道だけ謎のサイバー攻撃を受けるとか、全国知事会議で大統領の席にかってに座って、「いつかは座りたかったの」とのたまうとか、わかりやすすぎます。さらに、どうやってごまかすか四苦八苦するところも笑いどころ。舌をかんでしゃべれなくなるのはちょっと痛そうでしたけど、それも含めて、あの手この手で苦しみます。


 たいていの政治家は初出馬のときは世の中を良くしたいと思っているのでしょう。しかし、当選して利権を得るようになるとそれが当然となっていきます。どんどん傲慢になるサンスクと、そんな彼女にどんどん失望して渋い顔になるヒチョルの表情が好対照。また、政治家の家族もおいしい思いをするというのもありがちで、フリーターで怠け者の夫マンシク(ユン・ギョンホ)やマンシクの妹ソヒョヌ(パク・ジンジュ)がたかりまくるというのも笑いどころ。


 しかし、さすがはエンターテイメント。サンスクを盾に陰で人命すら軽んじる巨悪を見つけ、みんなが力を合わせて対抗していきます。ここまでご都合主義はないだろうと思いつつも、ラ・ミランのおばちゃんパワーはこれまた笑える。エンドロール中のオチまで含めて、結構、笑って楽しめました。また、サンスクやマンシク、ヒチョル、ソヒュヌはどちらかというとすぐ調子に乗ったりするダメ人間だけど、絶対的な悪には立ち向かおうとする設定も気に入りました。スーパーヒーローではなくて、ダメ人間こそ悪と戦わなければ。キム・ムヨルは「犯罪都市 PUNISHMENT」であれほど憎らしい悪役だったのに、気弱でまじめで滑稽な秘書役もぴったりなのには驚きました。
posted by 映画好きパパ at 06:04 | Comment(0) | 2025年に観た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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