2025年01月25日

Welcome Back

 挫折した若きボクサーと、彼を兄貴分としたう自閉症の青年のちょっと変わったボクシング×ロードムービー。ざらついた感じでダウナーな作風がたまらなく癖になりそうでした。
 
作品情報 2025年日本映画 監督:川島直人 出演:吉村界人、三河悠冴、遠藤雄弥 上映時間119分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:キノシネマみなとみらい 2025年劇場鑑賞18本



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 【ストーリー】
 ボクサーの冴木輝彦(吉村界人)はデビュー以来負け知らず。ジムの会長(菅田俊)の信頼も厚く、美容師で恋人の望月里香(優希美青)との交際も順調だった。そんな輝彦を、同じ団地に住んで兄弟同然に育てられた自閉症の青年、友原勉(三河悠冴)はいつも輝彦の真似をして後をついてきた。


 だが、輝彦は新人王戦の決勝で、西日本代表の北澤遊馬(宮田佳典)に敗れたうえ目をけがして引退する羽目に。引退後、目標を無くした輝彦は荒れた生活を送り、職を転々として里香とも別れることに。一方、輝彦が負けたことを信じない勉は、自分で北澤を倒そうと歩いて大阪に向かう。途中、輝彦に東日本新人王戦で敗れたボクサー、青山拓人(遠藤雄弥)に保護され、輝彦、勉、青山の3人は一緒に大阪に向かうことになる。


 【感想】
 自閉症の人が動きを完全にコピーするというのは本当にできるんでしょうか。勉は輝彦そっくりのボクシングを行い、油断した青山すら苦戦するほど。さらに、大阪に向かう途中、練習も兼ねて各地のジムで道場破りをしてまわるあたりは、観ているこちらもほほえましくなります。


 しかし、基本はボクサーになる夢を破れて荒れた生活を送り、それでも傲慢な無職男と、やはりろくに仕事がない自閉症の青年。ある意味底辺ですが、夢を失って自暴自棄になる輝彦と、純粋すぎるゆえに夢を見続ける勉の対比がうまい。また、自己責任論でないですが、負け組に厳しいこの世界で、2人の腐れ縁かもしれませんが、しっかりした友情の存在はあこがれます。


 また、脇役の青山と北澤のキャラもしっかりたっている。青山はそんなお人好しでボクサーは勤まらないだろうというほどいい奴で、勉のために輝彦の傍若無人さにも耐えながら一緒に旅行します。また、北澤のプロとしての正論は、最初はマシーンのように思えたけど、次第に納得感だらけに。最後のセリフもすごいよかった。現代風女性の里香も、今までの優希美青とは違ったイメージで楽しめました。


 そして、何より迫力のあるボクシングシーンの連続。もはや邦画のボクシング担当といったらこの人というべき松浦慎一郎がしっかりと指導しています。クライマックスは、勝負の行方がわからず迫力あるボクシングシーンを堪能できました。小品ながら満足できる佳作です。たまごかけごはんはおいしい。
posted by 映画好きパパ at 07:40 | Comment(0) | 2025年に観た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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