作品情報 2024年アメリカ映画 監督:ジェシー・アイゼンバーグ 出演:ジェシー・アイゼンバーグ、キーラン・カルキン、ウィル・シャープ 上映時間90分 評価:★★★(五段階) 観賞場所:ブルク13 2025年劇場鑑賞40本
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【ストーリー】
ニューヨークに住むデヴィッド(ジェシー・アイゼンバーグ)は疎遠になっていた同じ年の従兄弟、ベンジー(キーラン・カルキン)とともに、ポーランドのホロコーストツアーに参加することになる。最近亡くなった祖母はポーランド出身のユダヤ人でホロコーストを生き延びていた。その彼女の遺言で、ホロコーストの歴史や祖母がかつて住んでいた家を廻ろうというものだ。
ツアーはイギリス人のガイド、ジェームズ(ウィル・シャープ)に率いられ、デヴィドたちを含む6人が参加した。それぞれの思いを込めて、ホロコーストの跡地を回るのだが…
【感想】
ジェシー・アイゼンバーグはユダヤ系なので、こうした作品を作るのはわかるのですが、キーラン・カルキンはアイルランド系で、なぜ、彼とコンビを組んだのかはちょっと不思議。IT企業で働き人付き合いが苦手なデヴィッドと、大声でだれとでも仲良くなる一方、空気を読めずにづけづけと行動するベンジーは破れ鍋に綴蓋の良いコンビです。
ツアーそのものは丁寧に描いており、ベンジーの時折起こすユーモラスな珍行動がアクセントとなり飽きずに見られます。また、ツアーの参加者で、ルアンダ大虐殺を生き残った後ユダヤ教に回収したという黒人のエロ―ジュ(カート・エジアイアワン)の存在は歴史を風化してはいけなく、現代でもホロコーストが起きているという状況を伝えようとするなど、ユダヤ人虐殺をテーマにした作品では、他にないユニークな視点でみています。
とはいえ、イスラエルがガザで行った残虐行為をみると、この映画に登場するユダヤ人たちが、被害者としての立場でしか考えていないことがむずがゆくなってきます。もちろん、ナチスによる被害者という意味ではユダヤ人は純然たる被害者です。しかし、映画の製作中にガザの問題が発生したかはわからないけれど、どうしてもちょっと居心地が悪くなってしまいました。
ジェシー・アイゼンバーグをはじめとする現在のユダヤ人の、ホロコーストに対する素直な心境を描いているのは理解できました。こういう繊細な役柄は彼のお手の物ですしね。「エマニュエル」で謎の東洋人プレイボーイを演じていたウィル・シャープが、生真面目そうに眼鏡をかけた歴史オタクのガイド役で、まったくもてそうにない容姿だったのには笑いました。
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