2025年02月11日

野生の島のロズ

 ドリームワークスの新作アニメ。ロボットと動物たちの交流を無理なく描いて、ワクワクさせる上質のSFです。綾瀬はるかの声もはまってました。
 
作品情報 2024年アメリカ映画 監督:クリス・サンダース 声の出演(日本語版):綾瀬はるか、柄本佑、鈴木福 上映時間103分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:川崎チネチッタ 2025年劇場鑑賞44本



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 【ストーリー】
 最新鋭のお手伝いロボット「ROZZUM(ロッザム)7134」(綾瀬はるか)が嵐で無人島に漂着した。動物たちに化け物と怖がられる中、ロボットは凶暴なクマから逃げる途中にガンの巣を壊してしまう。唯一残った卵をキツネのチャッカリ(柄本佑)と取り合う中、ガンのひながかえり、ロボットを母親だと思う。


 呼びにくいのでロズと呼ばれるようになったロボットは、チャッカリの協力のもと、ヒナをキラリ(鈴木福)と名づけ、試行錯誤しながら育てていく。だが、ガンは渡り鳥であり、キラリも時期がすれば群れとともに南に渡らなければならない。ところが、ロボットには当然、飛び方など教えられず…


 【感想】
 前半は見事なセンス・オブ・ワンダーをみせてくれた完璧なでき。漂着したロボットのスイッチが、さわっていた動物によって偶然オンになる。最初は動物たちの言葉もわからなかったけど、AIは動物たちの言葉を学習していき、だんだん話せるようになるなんて流れは完璧。そのうえ、心がないロボットが、プログラミングにはなかった親としての気持ちがだんだん芽生えてくる様子も、最新鋭のAI技術を考えれば、あながち絵空事とはいえずにワクワクしました。


 また、弱肉強食もしっかりと描かれており、チャッカリはガンの卵を食べようとするし、ひなとなったキラリもほかの動物が狙ってくる。さらに、逃げる途中とはいえ、ロズがキラリの本当の親鳥やきょうだいになったであろう卵を殺してしまったというのも事実。野生動物の命が軽いこともよくわかります。ガンの群れがうさんくさいよそものを警戒するというのもいい。


 しかし、後半になると物語を盛り上げるためか、だいぶご都合主義がみえてきます。例えば、前半では文字通り弱肉強食だった島の動物たちだけど、後半は餌をどうしているのか突っ込みたくなります。まあ、この部分は感動的な展開にもつながるので、ファンタジーとして許容範囲なんだけど、敵役としてロズを回収しにきた最新鋭ロボット(種崎敦美)たちの存在は、いかにもという感じのストーリーに収斂していったのは残念。普通に島の動物たちとロズだけでもよかったのに。


 それはともかく、動物の動きは生態をよく再現していると感心するとともに、ジブリアニメにでてきそうなロズのシンプルなデザイン、特にヒナの時代のキラリをはじめとする動物たちの愛らしさなど、アニメーションならではの楽しさにも満ち溢れた作品。美しさと厳しさをあわせもつ自然もちゃんと描かれているのもこのアニメの長所です。


 綾瀬、柄本といった売れっ子俳優も物語館に溶け込んでいますし、種崎、山寺宏一、千葉繁といった一線級の声優が脇で支えていることもあって、日本語版吹き替えも完璧でした。子供から大人まで楽しめる作品に仕上がっていました。


posted by 映画好きパパ at 18:00 | Comment(0) | 2025年に観た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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