作品情報 2023年スイス、フランス、ベルギー映画 監督:マキシム・ラッパズ 出演:ジャンヌ・バリバール、トーマス・サルバッハー、ピエール=アントワーヌ・デュベ 上映時間92分 評価:★★★(五段階) 観賞場所:シネマ・ジャック&ベティ 2025年劇場鑑賞47本
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【ストーリー】
スイスの山間の町の仕立て屋、クローディーヌ(ジャンヌ・バリバール)は障害を持つ息子のバティスト(ピエール=アントワーヌ・デュベ)を育てている。バティストは青年だったが、車いすで知能も子供のまま、介護が不可欠だった。
クローディーヌは週に一度、リゾートホテルに行ってレストランの客を相手に情事をする。そして、客に出身地の様子を聞いて、それを今はいないバティストの父親の名前で、彼に手紙を送るのが習慣だった。客とは一度きりの情事と割り切っていたが、ハンブルクから来た技師のミヒャエル(トーマス・サルバッハー)と深い仲になってしまい…。
【感想】
クローディーヌが週に1回情事をするのは、寂しい中年女性がカラダの孤独を埋めたいということもあるでしょうし、バティストを喜ばせるために父親のふりをしてニセの手紙を送りたいということもあるでしょう。カネは決して受け取ろうとしないシーンがあるので、金のためというよりも心を満たすためなんでしょうね。
ただ、ヨーロッパ人の感覚はわからないけど、ジャンヌ・バリバールの実年齢は50代半ばなんですよね。しかも、クローディーヌはそれより年上に見える。それが毎週、ホテルに男あさりにきて、しっかりと相手がみつかるというのが不思議。中高年になっても、しっかり体の関係を作りたいということなんでしょうか。
さらに、そういう女性とわかりつつも恋におちいるミヒャエルも謎で、いかにも文学的作品に登場するけど、現実にこんな人いるのかなという感じ。中年男女の情事の映画は、「ブラックバード、ブラックベリー、私は私。」でも観ましたけど、あちらは情事をする必然性がわかるのに、本作はふわふわした感じで、いかにも作り物、お上品なフランス文学という感じなんですね。
また、終盤はミヒャエルとの愛を貫くか、バティストの介護をどうするかの間で心が揺れるのですが、これもとってつけたような感じ。まあ、アルプスの美しい山間でこういう妙な男女関係があるというのは一種のファンタジーにも思え、突っ込みつつも嫌いになれないタイプの作品でした。
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