作品情報 2024年日本映画 監督:照屋年之 出演:松田るか、堀内敬子、浅野忠信 上映時間86分 評価:★★★(五段階) 観賞場所:109シネマズ港北 2025年劇場鑑賞67本
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【ストーリー】
上司と喧嘩して東京の会社をクビになった美花(松田るか)は、故郷の沖縄・伊江島で一人暮らしをしている父の悟(浅野忠信)が認知症のうえ、末期がんで余命わずかとしらされ、渋々帰郷する。
かつて母の町子(堀内敬子)が亡くなった際、悟が連絡にでなかったことで、美花との関係は断絶していたのだ。当初は、見舞いに行くのも嫌がった美花だが、自然豊かな故郷で家族3人が幸せだったころを思い出し、少しずつ頑なな心が溶けていく。さらに、亡き母の日記をみつけ、そこに思いもよらない2人の思いが書いてあり…
【感想】
人間関係がえらい古風な感じで、特に悟は毎晩飲み歩いて浮気もしているのに、包容力をもって常に夫を立てる町子の姿は現代では絶滅危惧種ではないでしょうか。沖縄の離島ではまだこんな人間関係が残っているのかな。美花がだらしない父と、それでも父の言いなりの母に怒るシーンがたびたびあるけど、僕も美花と同意見で、美しい夫婦愛というよりも妻が夫を甘やかして堕落させているようにしか見えませんでした。
それが、家族3人の思い出で徐々に解消されるならともかく、亡くなった母の日記という飛び道具を使って、疎遠だった父娘関係が一気に解消するというのはちょっとご都合主義というか、うーんというのが正直な感想。中年男の僕としては、こんな中年男に優しい世界観というのはうらやましいけど、ちょっと良い話過ぎるかな。
細かいギャグは好き嫌いが分かれるかもしれませんが、僕はそれほど気になりませんでした。沖縄の白い雲、青い海、そして伊江島のシンボルともいえる城山(伊江島タッチュー)といった自然に満足できたから、それほど気にならなかったというのが正直なところかも。また、タイトルのかなさんどーは沖縄の方言で、「愛おしい」という意味。大事なところで流れる民謡にもこの一節があるのも、感動ポイント。全体的にヒューマンドラマで感動させようというつくりになっていて、昭和っぽさも正直感じました。
ただ、やはり浅野忠信の存在感はすさまじく、ひょうひょうと演じている悟のすごみで、物語をしっかり成り立たせます。また、沖縄出身の松田は方言シーンを含めて、のびのびと演じており、浅野、堀内のベテラン2人にひけをとらないヒロインとしての魅力を発揮していました。
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