2025年03月15日

ドラえもん のび太の絵世界物語

 毎年恒例のドラえもん映画を中3の娘と観に行きました。娘も4月から高校生になり、この恒例行事はいつまで続くかわかりませんが、今年のドラえもん映画は脚本、美術、キャラクター設定とも過去最高レベルに面白かったです。


 作品情報 2025年日本映画アニメ 監督:寺本幸代 声の出演:水田わさび、大原めぐみ、かかずゆみ 上映時間105分 評価:★★★★★(五段階) 観賞場所:イオンシネマ港北ニュータウン 2025年劇場鑑賞82本




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 【ストーリー】
 のび太(声・大原めぐみ)が勉強すると天井から木に書かれた絵が落ちてきた。ドラえもん(水田わさび)の秘密道具、「はいりこみライト」で絵の中の世界に入った。一方、その絵の世界からは逆に、幼い少女クレア(和多田美咲)が現実の日本に出てきてしずか(かかずゆみ)たちと友達になる。


 実はクレアは中世ヨーロッパの幻の国アートリア公国の王女で、不思議な力で絵に閉じ込められたという。のび太たちは絵の世界を通ってアートリア公国へクレアを送り届ける。そこで再会したクレアの幼馴染の画家、マイロ(種崎敦美)はびっくり仰天。クレアは神隠しにあって何年も行方不明だったのだ。とりあえず、現在に戻ったのび太たちだが、絵の中でクレアと一緒に出会ったコウモリのような小悪魔のチャイ(久野美咲)が、クレアがピンチだから助けてほしいと連絡があり…


 【感想】
 僕は絵に関する知識はあまりないのですけど、アバンの美しいアートリア国でクレアとパルの仲良しぶりから始まり、オープニング曲で「はいりこみライト」を使ってのび太たちがゴッホ、フェルメール、ムンクから葛飾北斎まで古今東西の名画に入り込んでいる様子が、音楽に合わせてテンポよく流れていくところで心がつかまれました。いったいクレアとのび太たちがどう絡むだろうとワクワクしながら観ます。


 そして、現代の日本でアートリア公国の謎の絵が発見されたというニュースから、タイムマシンではなくて絵を通ってアートリアに行くという新たな冒険も棟が高まります。現地での冒険も、最初はよくあるドラえもん映画かと思いきや、終盤の敵がとんでもなく強くて、最後にのび太たちが勝つのが当然とはいえ、いったいどうやって敵を倒すのか、ひたすらハラハラしながら観ました。


 極めつけはエピローグ。感動的かつ巧みなストーリーテリングに感心しきり。のび太たちの大冒険が非常に納得のいく結末に落ち着きほっとしました。もちろん、他のドラえもん映画でものび太たちの大冒険はみられ、途中、ピンチになるのはお約束。そこから劇場版ならではののび太の主人公らしい活躍がみられるわけですけど、本作ではそのスケールがパワーアップ。激しいアクションや知恵の絞った闘いぶり、そもそも、こんなにピンチになったのは初めてではないでしょうか。ドラえもんらしいユーモラスな場面との緩急のつけかたはお見事です。お風呂嫌いが伏線など、大人でもうなる脚本の巧さよ。


 ゲストキャラも含めて、登場人物がみんな生き生きと動いていたのも印象的。チャイというマスコット的な存在も定番とはいえ、盛り立てに一役買います。また、普段、あまり活躍の少ないのび太のパパ(松本保典)が、しっかりと存在感を出していたのもみどころ。絵はテクニックよりも書き手の思いだという、フレーズにすればなんてことはないけれど、ドラえもんのなかでそれを実践されると、すごい説得力がありました。何よりアートリア公国の美しい風景やいかにも中世の町といった街並み、クレアをはじめゲストキャラたちの中世風衣装など、絵がテーマだけに作画に力が入っていると、これまた感心しきりです。絵画の力、創作の力というのを堪能できました。


 ゲストキャラのクレア、マイロ、チャイは人気声優が手堅く演じました。このほか、クレアの父親の王様と、現代の美術評論家にサンドウィッチマンの2人、クレアの母親の王妃様に藤本美貴、マイロを助ける青年画商のパルに鈴鹿央士が起用されていますが、それぞれ役柄にあっており、物語をひきたててくれました。娘よりも僕の方が感動していた感じです。
posted by 映画好きパパ at 06:53 | Comment(0) | 2025年に観た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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