2025年03月15日

石門

 中国が舞台で出演者もすべて中国人なので中国映画かと思いきや日本映画。道理で冒頭に中国映画特有の国の許諾マークがなかったわけだ。金馬獎の作品賞を受賞して、中華圏では評価が高いけど、テンポが合わなくて僕は今一つでした。


 作品情報 2022年日本映画 監督:ホアン・ジー、大塚竜治 出演:ヤオ・ホングイ、リウ・ロン、シャン・ズーオン 上映時間148分 評価:★★(五段階) 観賞場所:シネリーブル池袋 2025年劇場鑑賞83本



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 【ストーリー】
 中国・長沙市で客室乗務員の学校に通う20歳のリン(ヤオ・ホングイ)は恋人のジャン(リウ・ロン)との子供を妊娠する。だが、学生同士のため、産むためにはリンが学校を辞めなければならず、ジャンはリンに任せると逃げ腰だった。


 一方、看護師をしていたリンの母親(ホアン・シャオション)は診療所で死産させたとして莫大な賠償金を請求されていた。そこでリンと母親は産まれてきた赤ちゃんを賠償金代わりに渡すという計画を思いつき…


 【感想】
 事前のあらすじから中国の若者の厳しい経済状況を描くのかと思いきや、なんだかよくわからない話。「国境ナイトクルージング」のような、育ちや学歴で差別される若者の絶望感を期待していたのに、リンにしろ母親にしろ、日本の感覚では信じられないような無茶苦茶ぶり。一昔前に女は子供を産むための道具と日本の政治家が言って問題になりましたが、まさに、母親の借金を返すための道具として描かれ、それを登場人物たちが平然と受け入れているのが不思議。


 また、演出、編集も僕とあわず、基本的には定点カメラによる長回しのシーンが数十秒から数分あるのをつなぎあわせています。多くは人物を中央に据えた会話で、何回かならいいけど、何度も何度も同じ構図で繰り返されているうちに、どんんどん集中力がそがれていきます。編集もいきなり、シーン間で時間がとんでしまうので何があったのかよくわからない。


 また、リアルを追求したのかもしれないけれど、英会話学校に通うシーンや母親が生計のために悪徳商法に加担するなどの描写に時間をとられて、散漫になった印象が。120分に収めれば、またずいぶんと印象も良くなったろうに。もっとも、金馬獎で編集賞もとっているから、中華圏の映画のプロからするとすごいテクニックなんでしょうけど。


 ホアン・ジーと大塚は夫婦で監督をしており、撮影中にコロナ禍になったため、その描写も終盤に取り込んでいます。ここもリアルと言えばリアルなんですけど、やはり突然シーンがとんだ感が否めない。そこまで疎遠だったジャンがいきなり、「マスクが手に入らないけどある?」と聞いてきたのは、日本もそうだったなと笑えました。
posted by 映画好きパパ at 18:00 | Comment(0) | 2025年に観た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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