作品情報 1973年アメリカ映画 監督:テレンス・マリック 出演:マーティン・シーン、シシー・スペイセク、ウォーレン・オーツ 上映時間94分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:新宿ピカデリー 2025年劇場鑑賞105本
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【ストーリー】
1959年、サウスダコタ州の小さな町に住む15歳のホリー(シシー・スペイセク)は、流れものの美青年、キット(マーティン・シーン)から声をかけられたのがきっかけに、恋に落ちる。
だが、ホリーを男手一つで育てた父(ウォーレン・オーツ)は、交際に反対。キットはホリーと駆け落ちを計画するが、その現場が見つかってしまう。口論の末、キットはホリーの父を射殺。そこから2人の破滅的な逃避行が始まった…。
【感想】
「俺たちに明日はない」のような犯罪ロードムービーですが、実際の事件をモデルにしているそう。10代の少年少女が親を殺しても平然と犯罪を重ねながらの逃避行に、当時、世間は騒然となったそうです。1950年代のアメリカの雰囲気はあまりわかりませんが、メインキャラに黒人は出てこず、あくまでも田舎町の白人の物語。今だったらレッドネック、ホワイトトラッシュと呼ばれるような貧しい白人の若者が、未来がないゆえに享楽的に犯罪を犯したふうにみえました。
最近の作品だったらホリーと父の関係をもう少し詳しく描くのでしょうけど、本作では割とあっさり流しています。逆に性虐待のような大きな問題がないのに、父を殺した相手とラブラブの逃避行というサイコパス的なところを、アメリカ西部の乾いた荒れ野、寂れた町を舞台に描いているのが当時の映画ならではの特徴かも。キットは善悪の区別がそれほどつかないからか、次々に殺人をおかしていくわけだし、語り手であるホリーもそれを平然と受け入れているのも、現代の発想からはなかなか得にくいといえましょう。
個人的にツボに入ったのは銃の発射の効果音。クラシック映画独特の破裂的な音です。また、数少ないとはいえ銃撃シーンはリアルっぽく、キットが頭脳派で落ちていた鉄板を盾に使うなど、ユニークなアクションは堪能。当時の映画らしくて、Hなシーンはほぼ皆無ですが、最初はラブラブで冒険も楽しんていたホリーが過酷な逃避行でだんだん不機嫌になっていくのをみると、体のただれた関係にも想像がついてしまうのはうまい演出です。
のちに「地獄の黙示録」「キャリー」という大ヒット映画の主役で、トップスターになる2人ですが、このころはまだ無名だったのか、演技もやや硬いし何よりも初々しいのが魅力。大平原や車が通ると煙がもうもうとたつ荒れ地の牧場など、いかにもアメリカを想起するロケに、白黒のニュース映像も含めた当時のクラシカルな演出もつぼにはいりました。
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