作品情報 2024年フランス映画 監督:フレデリック・ポティエ、ヴァランタン・ポティエ 出演:カミーユ・ラザ、メラニー・ロベール、フランク・デュボスク 上映時間109分 評価:★★★(五段階) 観賞場所:ヒューマントラストシネマ有楽町 2025年劇場鑑賞109本
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【ストーリー】
双子の姉妹、クレール(カミーユ・ラザ)とジャンヌ(メラニー・ロベール)は、外交的なクレールと内向的なジャンヌと性格は違うけれど、大の仲良し。幼いころから父親のセルジュ(フランク・デュボスク)に名ピアニストになるよう厳しくしつけられ、姉妹そろってドイツの名門音楽大学に入学した。
しかし、クレールは上級クラスに選抜されたのにジャンヌは落ちてしまう。さらに、クレールは学内オーディションに受かってソリストとなる。ところが、猛練習を課せられ、大事なコンサートを前に腱鞘炎になってしまい…
【感想】
丁寧に描いているのだけど、初監督作品だけあってテンポや場面のつなぎかたがちょっと合わないところがありました。ちなみに監督は親子だそうで、親子監督が双子を主役の映画を撮るというのはちょっと不思議。クラシックの名曲を劇中堪能できたのに、エンディングに流れる曲が甘いポップスというのも減点材料。
序盤はセルジュの「巨人の星」を思い起こさせるような、スパルタ教育ぶりに目が点になります。すべてを娘のピアノのためにそそぎこみ、仕事は辞めて、家のなかはボロボロ。ただ、娘たちはちょっとうざく思いつつも父親のことが大好き。さらに母親のカトリーヌ(イザベル・カレ)も、セルジュのブレーキ役となりつつも、娘のために自分の夢をあきらめるなど、ステージペアレンツの家族が描かれます。そして、家族愛の中でも徐々に成長していく2人の娘の姿はうるわしい。
音大に入ってからは、イケメンだけど優しさに欠ける教師のレナート(アウグスト・ウィトゲンシュタイン)や軟派な先輩、ダニエル(レナート・ベッツゲン)が登場するのが、いかにもフランス映画っぽい。けれどもピアノへの思いと家族愛が中心で、男どもはあくまで添え物という感じは、フランス映画ぽくないかも(どっちなんだ)。姉妹は恋2、音楽8ぐらいの割合なので、観ていてそんなに邪魔にはなりませんでした。
カミーユ・ラザとメラニー・ロベールは似たような容姿の女優を選んだのでしょうけど、息がぴったり合うシーンや、片方にクローズアップされている向こうでの小芝居などはいかにも双子という感じ。クライマックスは現実にはどうなんだろうと思いつつ、タイトル通りの演奏方法は画期的で、双子ならではなんでしょうね。ベートーヴェン、チャイコフスキーをはじめとするクラシック音楽もふんだんに堪能できます。
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