2025年04月26日

レイブンズ

 1960年〜80年代に活躍した伝説の写真家の深瀬昌久の伝記映画。深瀬が題材にしたカラスが、深瀬の内面で擬人化されるなど、独特の雰囲気を楽しめます。

 作品情報 2025年フランス、日本、スペイン、ベルギー映画 監督:マーク・ギル 出演:浅野忠信、瀧内公美、ホセ・ルイス・フェラー 上映時間116分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズシャンテ 2025年劇場鑑賞139本



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 【ストーリー】
 北海道の田舎町で写真館を営む厳格な父(古舘寛治)に反抗して上京。カメラマンになった深瀬昌久(浅野忠信)。気鋭の写真家として話題になるが、父から体罰やモラハラを受けたトラウマもあり、等身大のカラス(声・ホセ・ルイス・フェラー)が自分に挑発的な態度をとる幻影がみえるようになった。


 モデルだった洋子(瀧内公美)と結婚した昌久だが、カラスからのプレッシャーがあり酒や女に逃避するようになる。ニューヨーク近代美術館に作品が展示されるほど評価が高まっても
プレッシャーはやまず、洋子との関係もどんどん悪化していく…


 【感想】
 天才的な芸術家がそれゆえに心身がおかしくなり、酒や女に逃避するという話は古今東西よくあります。日本だから麻薬はでてこないですが、その代わりにカラスのプレッシャーがでてきます。先日観た「BETTER MAN/ベター・マン」ではサルがトラウマの象徴だったので、これまた分かりやすいといえば分かりやすい。


 ただ、ファッション、ゴーゴーダンスパーティー、そして新宿のゴールデン街にたむろする文化人たちなど、20世紀後半の文化的背景はよく表現していました。洋子が新婚当時にサイケデリックなファッションをして、2人でいちゃついているのを短いカットでつなぐのも、よくある演出とはいえ当時の時代背景がでていて良かったです。


 また、酒に溺れてどんどんひどくなっていく深瀬を浅野が好演。割とこういう役柄が多い印象ですよね。晩年は正気と狂気の差がどんどんなくなっていって、その一方で、なんとも言えない尖った写真を次々にとっていくというのもいかにも天才写真家といったところです。父親との愛憎もいかにも昭和の家族という感じで、古舘寛治も昭和っぽい要望なので本当に時代にマッチした感じでした。


 今のカメラマンの生活がどうなっているか知らないけれど、作品が後世に残るのならば破滅的な人生で周囲に迷惑をかけても仕方がないという雰囲気は当時はあったのでしょう。弟子(池松壮亮)やいきつけのゴールデン街のバーのママ(高岡早紀)、そして何よりも命がけの恋愛をした洋子が、しょうもないなと思いつつも、深瀬を見捨てないというような人情がいまの芸術家界隈にあるのかな。これもまた昭和の夢をみさせてくれたのかもしれません。
posted by 映画好きパパ at 18:00 | Comment(0) | 2025年に観た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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