2025年04月28日

プロフェッショナル

 リーアム・ニーソンのアクション映画なんですが、アクション場面は思ったよりも少なくて老いたプロの殺し屋の悲哀がメインという感じでしょうか。スカッとするよりもちょっとジーンとするタイプの作品です。


 作品情報 2024年アイルランド映画 監督:ロバート・ロレンツ 出演:リーアム・ニーソン、ケリー・コンドン、 ジャック・グリーソン 上映時間106分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:TOHOシネマズ川崎 2025年劇場鑑賞142本



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 【ストーリー】
 1970年代、IRAのテロで荒れる北アイルランドの寒村。地元のギャングの親分ロバート(コルム・ミーニイ)配下の殺し屋、フィンバー(リーアム・ニーソン)は年を取って衰えを感じ、引退を決意していた。


 同じころ、ベルファストで爆破テロを起こしたIRAのメンバー4人が村はずれの空き家に潜んでいた。そのなかの一人カーティス(デズモンド・イーストウッド)が、親戚の少女を虐待しているのをしったフィンバーは、カーティスを思わず殺害してしまう。一方、4人のリーダーでカーティスの姉のデラン(ケリー・コンドン)は、犯人がフィンバーであることを突き止め、復讐を誓う。


 【ストーリー】
 暴力の連鎖がいかに人を傷つけむなしい結果になるのかというのを、淡々と描いています。デランたちが単なる記号的な悪役でなく、感情のある人間として描かれ、そりゃデランの立場ならフィンバーへ復讐せざるをえないだろうなと納得させられる演出がいい。


 海辺の最果ての地のような荒涼たる風景。村民たちはみな顔なじみで、ギャング組織がそんなに忙しいのかと思わせますが、序盤にフィンバーが仕事をみせる場面で標的自らに穴を掘らせて遺体を埋めたあとにスギを植え、その数の多さで彼の腕前を見せるという演出が渋い。また、同じロバート配下の若い殺し屋ケビン(ジャック・グリーソン)の標的に敬意を示さず女性をも殺すやり口に嫌悪感を示すなど、美学のあることがうかがえます。


 そのケビンは最初は嫌なやられ役かと思いましたが、彼もこういう人生になるまでの道筋をしっかり描いており、村を出てアメリカにわたりたい夢を持つケビンと、人生の晩年は荒仕事と縁を切って穏やかに村で過ごしたいフィンバーとの対比もよかった。


 クライマックスまでは派手なアクションはすくなめですけど、クライマックスはなかなか緊迫感あふれます。他のリーアム映画と違って悪役もなかなか一発で倒すなんてことはないですし、泥臭いけど命がけのやりとりが伝わってきて、最近多いテレビゲームのようなアクションシーンとは一線を画していました。


 70年代のファッション、音楽にイギリス軍とIRAの闘争という閉塞感漂うな空気もいい。ロバート・ロレンツは「グラン・トリノ」「ミリオンダラー・ベイビー」などイーストウッド作品のプロデューサーで、イーストウッド作品らしい渋さが漂っています。なお、デズモンド・イーストウッドはクリントと関係なく、彼やリーアムも含めてアイルランドの俳優ばかりが起用されています。
posted by 映画好きパパ at 06:06 | Comment(0) | 2025年に観た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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