2025年05月11日

6人ぼっち

 クラスで浮いた存在の6人の男女が、高校の修学旅行でいらない班に集められて右往左往する学園ドラマ。なんとも青くて切ない青春に胸が思わずしめつけられます。


 作品情報 2025年日本映画 監督:宗綱弟 出演:野村康太、吉田晴登、三原羽衣 上映時間85分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:新宿ピカデリー 2025年劇場鑑賞163本



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 【ストーリー】
 クラスで友達が一人もいないぼっちの加山糸(野村康太)は、修学旅行の自由行動日に同じようにぼっちでどの班にも入れてもらえなかったメンバーと余り物の班をつくることになる。メンバーは自己中でTikTokerの馬場すみれ(三原羽衣)、ガリ勉で勉強以外興味のない新川琴(鈴木美羽)、自慢話ばかりでウザがられている五十嵐大輔(松尾潤)、コミュ障でぐずぐずしている山田ちえ(中山ひなの)、そして不登校が続く飯島祐太郎(吉田晴登)だった。


 互いにほとんど交流のなかった6人。すみれは別々に行動しようと提案する。でも
、担任の島(賀屋壮也)から班長を任された糸は妙に張り切り、修学旅行を忘れられない思い出にしようと奮闘するのだが…。


 【感想】
 僕も高校時代はぼっちというか今でいうカーストの最下層なので、余り物で班を組まされた黒歴史があります。しかも、男子だけのクラスだったので、この映画のような男女で楽しむ思い出などなく、つくづく高校時代は良い思い出がありません。何十年たっても暗黒時代です。


 その僕のうさをはらすかのように、糸の奮闘に身勝手だったメンバーも1人また1人と自由行動を楽しむようになっています。「ハケンアニメ」の政池洋佑の脚本が手堅く、6人のキャラクターを見事に書き分けています。序盤の教室でみんながぼっちなのもさもありなんというような流れるようなカメラワークはお見事。結局、それぞれが結局は自分を守るために妙なプライドでぼっちになっていることを浮き彫りにして、その殻を破る様子がなんともすがすがしい。動画を活用するのは今の若者らしいけど、大人がみても人間の本質的な善良な部分は変わっていないと実感できる秀作です。


 また、一直線で仲間になっていくのではなくて途中に紆余曲折があるのも観ていて飽きません。演出面でチープなところがあるとはいえ、題材が青春の青さなのでそこもむしろはまってしまう感じになっていたのは良かった。6人のそれぞれのエピソードは大人がみれば些細なことが多いのだけど、学校生活が人生の大半を占める高校生にとっては、そのことが最大の問題となっているわけで、自分がイヤになる気持ちもよくわかります。そういう痛さを等身大の演出でみせていて、素直に良いと思える青春映画です。


 6人はこれから売り出し中の若手俳優が集められているノースター映画ですが、それだけに観ているこちらも色眼鏡をかけずに演技を楽しめました。映画の中の6人がこれからどんな高校生活を送るのか、それこそ連ドラでずっと追いかけていきたいような気持ちにさせてくれます。 
posted by 映画好きパパ at 07:22 | Comment(0) | 2025年に観た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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