2025年05月20日

IT’S NOT ME イッツ・ノット・ミー

 フランスの名匠、レオス・カラックス監督の世の中に対する怒りや映画への思いをごっちゃとなって表現。なんとも不思議な抽象的な作品になっています。

 作品情報 2024年フランス映画 監督:レオス・カラックス 出演:レオス・カラックス、ドニ・ラヴァン、カテリーナ・ユスピナ 上映時間42分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:角川シネマ有楽町 2025年劇場鑑賞173本



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 【ストーリー、感想】
 レオス・カラックスが自分の映画人生や、世の中に対する怒りの短いショット、画像をコラージュした作品。ストーリーはなく、カラックスの頭の中のいろいろなものが映像化された感じです。


 プーチンの演説やウクライナのデモの短いシーンがあれば、雪山の雪崩、走る馬といったシーン、そして、自分の過去作の短いショットやカラックスが自分に影響したと思っているような他人の作品の短いショットをつなげています。予告編にある全身を奇妙な全身レオタードで包んだ女性がくるくる回りながら橋の上を回っていくシーンは本編では数秒しかありませんが、音楽も含めた中毒性が十分あります。


 プーチン、トランプ、そしてヒトラーといったいわゆる独裁者のショットがあるのは、自由人の最たるものであるフランスの芸術家として、自由を束縛するような独裁者と、それに何も考えずに従う連中が許せないという怒りが伝わってくるようで、心にうたれました。


 一方、フランス映画に詳しくない僕にとっては、映画に関する部分についてはわからないところが多かった。比較されるゴダールも観てないですし。カラックスファンやフランス映画ファンにとっては、こういう意味だと腑に落ちる場面も多いのかもしれません。このへんは完全に理解できなかったのはちょっと残念でした。


 ただ内容はさっぱりわからないのに画面から目を離さずに見られたのは、音楽、映像を含めた総合芸術であるということ、それと42分という中編だったからでしょう。そもそも、フランスの現代美術館からショートフィルムの作成を依頼されたけど、結局、予算がオーバーしすぎて、実現できなかったことが本作制作のきっかけだそう。現代美術としてみれば、なんかわからないけどすごい作品と評価されそうです。僕はぐるぐる回るシーンだけでも満足でした。


posted by 映画好きパパ at 06:05 | Comment(0) | 2025年に観た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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