2025年06月18日

ドールハウス

 ここのところ、Jホラーはユニークな作品が次々に出ているのですけど、本作は超オーソドックスなホラーを豪華俳優陣で撮影したという王道中の王道といえる作品。現時点でJホラーの頂点といえる一方で、僕のようなホラーマニアなら展開に既視感があったともいえます。なぜこの座組で撮影して、制作側はPRでホラーという言葉を禁句にしたのかのほうが面白かったりして。

 作品情報 2025年日本映画 監督:矢口史靖 出演:長澤まさみ、瀬戸康史、田中哲司 上映時間110分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:新宿ピカデリー 2025年劇場鑑賞211本



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 【ストーリー】
 幼い娘の芽衣(本田都々花)を事故で失った鈴木佳恵(長澤まさみ)は精神的に病んでしまったが、近所の骨董市で小さな子供ほどの大きさの日本人形を購入し、まるで自分の娘のようにしてかわいがるうちに、症状も回復。夫で医師の忠彦(瀬戸康史)もほっとした。

 やがて、夫婦には真衣(池村碧彩)という娘が産まれ、夫婦は人形を物置に入れたまま忘れてしまう。しかし、数年後、真衣が人形を見つけてから、不思議な減少が鈴木家で起きるようになり…

 【感想】
 子供大の人形はかわいいけど怖さもあり、ホラー映画の題材としても使われています。アメリカ映画の「ミーガン」がスマッシュヒットしたのも記憶に新しい。僕が日本人だからかもしれませんが、黒くて長髪の日本人形のほうが、より怖さを感じてしまいます。また、当初は自分の娘のように可愛がった人形が、実の娘が産まれたからと言って邪険にする夫婦の姿にイラっとくることもあり、人形の活躍を内心応援していました。

 人形の怪現象は予告でもあるように、最初は真衣が気づきます。しかし、彼女はまだ幼稚園児と言うこともあり、両親は実際に何が起きているのかなかなか気づきません。特に忠彦は医師ということもあり、超常現象をなかなか信じないため事態が悪化しています。

 この人形の起こす怪奇現象については、ほとんどがホラーマニアなら想定がつくもので、むしろ「さあ、そろそろ起きるぞ、キター!」をいうワクワク感が十分ありました。ホラーをあまり観たくない人にとっては、少ないとはいえジャンプスケアもあるので、結構、怖いかもしれません。予告にあるような長澤のスクリーム場面はすくないのですけど、効果的な場所ででてきてこのへんの脚本もうまい。

 また、人形の除霊の専門家役の田中哲司、事件を追う刑事役の安田顕、忠彦の母親役の風吹ジュンなど、脇にしっかりした俳優を置き、全体的に暗いトーンの明度で撮影していることで、非常に重厚長大な感じのホラーの雰囲気が味わえました。個人的にはもっと犠牲者がバンバンでたほうがいいのですけど、最近のホラーでありがちな、しょーもない描写が皆無だったのは矢口監督の手腕であり、長澤、瀬戸ら一線級の俳優を備えたおかげでもあるでしょう。

 個人的には中盤ですが、予告編にもある人形をCTスキャンでかけた結果が一番驚きました。オーソドックスにみえても、こういう奇想天外な場面もあるというのはいいですね。ただ、個人的には「見える子ちゃん」「きさらぎ駅 Re:」といったニューウェーブ系のホラーのほうが好みかな。でも、本作がヒットして再びJホラーブームが起きることはつい期待してしまいます。 
posted by 映画好きパパ at 06:03 | Comment(0) | 2025年に観た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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