作品情報 2025年日本映画 監督:永江二朗 出演:本田望結、恒松祐里、奥菜恵 上映時間82分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:キノシネマ新宿 2025年劇場鑑賞213本
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【ストーリー】
静岡県の遠州鉄道ではある乗車方法で電車に乗ると異世界にある駅「きさらぎ駅ん」に運ばれてしまう不思議な現象が起きていた。きさらぎ駅に運ばれた人間は、何度も殺されては生き返るループ現象に巻き込まれてしまう。女子高生の宮崎明日香(本田望結)もきさらぎ駅に運ばれたが、同じ乗客の堤春奈(恒松祐里)が異世界に残り、自分は助かる。
だが、本人の体感時間は1日なのに、現実世界では20年もたっており彼女は嘘つきだとネットでバッシングされていた。テレビのドキュメンタリーが彼女を密着取材したものの、抗議を恐れて放送中止となり、担当ディレクターの角中瞳(奥菜恵)が謝罪に来る。こうした厳しい現実での状況をうけ、明日香は自分が異世界に残ることで、春奈を現世に引き戻す計画をたてるのだが…
【感想】
前作できれいに終わったはずですが、しっかりと続編が登場。前作同様ネットでばずった都市伝説の映画化が得意な永江監督と宮本武史脚本のコンビだけあって、ネット社会のひどさも交えつつ、続編を巧みに作っています。ラストシーンも含めて、うまい構成に感心しました。
序盤は、角中が作ったドキュメンタリーという形をとることで、前作をみない人でもきさらぎ駅の世界観を分かりやすく説明。まあ、前作をみたほうが人間関係も含めて楽しめるのですけど、このフェイクドキュメンタリーの部分だけでも最低限の知識が得られます。
そして中盤から明日香が異世界に入ります。ここからは観客が前作で異世界がどういうところか知っているので、前作のような何が起きるかわからない不気味感、ドキドキ感というのは大幅に減っています。しかし、観客も明日香も何が起きるか知っているので、バッドエンドを避けようとさまざまな手をうつ、いわゆるタイムリープモノ的な楽しさへとつながっていきます。ある意味、ゲームを観ている感覚なんですよね。
うまいのが前作、今作とも明日香、春奈のキャラがきっちりとたっており、演じる2人もなり切っていること。前作を知っていればニヤリとするシーンもありますし、今作しかしらなくても、この2人の描き方が実に丁寧にできているということがよくわかるでしょう。また、オチも僕好みのものであり、やはり永江ホラーはポップで楽しいテイストだなと観ていてうれしくなってしまいます。3作目があるかどうか分からないけれど、永江監督の新作は絶対チェックして行きたくなる作品でした。
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