2025年08月01日

おばあちゃんと僕の約束

 末期がんで余命わずかの祖母を同居で介護する孫のニート青年の物語なんだけど、お金の話ががっつり出ていて、リアル感がありました。自分自身のこれまでの介護経験を考え、しんみりとしてしまいます。

 作品情報 2024年タイ映画 監督:パット・ブンニティパット 出演:プッティポン・アッサラッタナクン、ウサー・セームカム、サリンラット・トーマス 上映時間125分 評価:★★★★★(五段階) 観賞場所:シネスイッチ銀座 2025年劇場鑑賞264本



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 【ストーリー】
 大学を中退してゲーム配信者になろうとしたものの、実質はニート生活を送っている青年エム(プッティポン・アッサラッタナクン)。従妹のムイ(トンタワン・タンティウェーチャクン)が祖父の介護をすることで遺産をもらったことをうらやましく思う。そこへ、墓参り中に倒れた祖母のメンジュ(ウサー・セームカム)が、末期がんと診断されたことをしり、介護をすれば遺産をもらえるかと同居することに。


 だが、メンジュの長男で投資家のキアン(サンヤ・クナコーン)、次男で失業中のため借金を抱えているスイ(ポンサトーン・ジョンウィラート)も同じようなことを考えていた。エムの母のチウ(サリンラット・トーマット)は、自分の兄弟や息子に呆れつつも、ニートでゲームばかりやっているよりはとエムの介護を認める。最初はいい加減だったエムも、真面目で信心深く、そして口うるさいメンジュとだんだん心を通わせていき…


 【感想】
 メインのプロットは日本でもあるような話ですが、仏教への信心が深いタイならではのエピソードが多いのが面白い。街並みや景色もローカル色豊かなうえ、70過ぎても早起きして、線路沿いでお粥を売るまじめな祖母の生活と、ゲームや遺産で手っ取り早くカネを稼ごうという、伝統文化対グローバルなコスパ文化の対立というのも面白い。病院で順番待ちにスリッパだけを置くといった、庶民の何気ない生活の様子も面白い。


 また、タイは家父長制度が残っているためか、息子には遺産を残すものの娘には残しません。チウが「息子は遺産をもらって、娘は(遺伝性の)病気をもらって」とぼやくシーンは、タイの女性たちからは多くの共感を得られるのでしょう。一方で、金持ちのキアンはもっとカネが欲しく、生活能力のないスイは借金返済でカネがほしく、主人公のエムまでも同様というのは、拝金主義の世の中がどこの国でもいっしょなのかと思ってしまいます。


 しかし、普段一人暮らしだった祖母は、それでも子供や孫が構ってくれるのがうれしい。僕自身、亡くなった両親や祖父母がこんなにも思ってくれたのかと、ウルっときそうになりました。それだけに、カネのために祖母を裏切るような行為を男性陣がやるのはなんともやるせなかった。


 また、エムの成長物語であるのだけど、単純に成長するのではなく、3歩進んで2歩下がるというような迷走ぶりなのもリアル。後半は普通の映画だったらエムが祖母からの愛情に感謝してまともな人間になるのでしょうけど、時々は欲にまみれてしまうというのもこれまたリアルです。
 
 僕自身、祖母にとりわけかわいがってもらったという思いではないのだけど、年を取った両親が僕のことをどう思ったのか。子供の成長はうれしだけでなく寂しかったのでは。もっと優しくすればよかったと、今さら取り返しのつかない後悔の念にさいなまれてしまいました。本当に孝行したいときに親はなしとはよくできたことわざです。映画では、華僑の仏教と言うことで大きなお墓について何度もでてきましたけど、日本でも先祖とのつながりを考えるとお墓は必要なのかなとも思ってしまいました。


 プッティポン・アッサラッタナクンはタイの人気俳優ですが、出演映画が日本で公開されるのは初めてかな?良くも悪くも今風の若者を等身大で演じています。ウサー・セームカムはなんと、本作が78歳にしての俳優デビューだそう。そうとは思えない堂々の演技力です。
posted by 映画好きパパ at 06:00 | Comment(0) | 2025年に観た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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