2025年09月07日

海辺へ行く道

 鬼才・横浜聡子監督の新作で、人を食ったようなユーモアながら芸術のあり方といったテーマをうまく昇華しています。子役に加え、過去作の豪華俳優がちょい役で出ているのもいい。


 作品情報 2025年日本映画 監督:横浜聡子 出演:原田琥之佑、麻生久美子、剛力彩芽 上映時間140分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:シネスイッチ銀座 2025年劇場鑑賞250本



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 【ストーリー】
 中学2年の南奏介(原田琥之佑)は学校で美術部に入っている。夏休みもかかわらず彼と後輩の立花良一(中須翔真)は、新聞部の平井ほのか(山崎七海)や演劇部に頼まれた仕事で忙しく、母親代わりの寿美子(麻生久美子)もあきれるほど。


 一方、彼の住んでいる海辺のサビれた町はアーティストの誘致で町おこしをしていた。不動産屋の谷川理沙子(剛力彩芽)は高岡(高良健吾)とヨーコ(唐田えりか)のカップル、岡野(村上淳)など自称アーティストの怪しげな客たちに右往左往している。そこへ奏介のおばで、理沙子の親友の大林メグ(菅原小春)が、本当にアーティストが作品を描いているか、東京から調べに来て…


 【感想】
 夏の終わりと言っても、9月になっても30度は超えていますが、それでも夏の終わりにふさわしい作品。海辺の小さな町の中学生たちの青春と、その周囲の奇妙な大人たちを乾いたタッチで、それぞれのエピソードを描いています。シュールなギャグもたまりません。


 個人的につぼに入ったのが、町の盆踊りのクライマックス、「静か踊り」。静かに踊らなければならず、踊ってる最中にしゃべったり、歯をみせたら失格という踊りなぞですが、町民たちが町を練り歩きながら延々と踊るようすをひたすらみせるあまりにもシュールな映像が続きます。このほか、謎の野獣が町に出没するとか、江戸時代?の人魚の模型とかへんなエピソードも満載。


 その一方で、犯罪めいたできごとも大人は起こしており、単に癒される映像ですまないところもまた特徴です。面白かったのが、美術の才能がある奏介が大人たちのために作る作品が次々と小さな騒動をおこすところ。それも犯罪につながる部分もあるのに、妙にユーモラスに描いています。ならないカナリアの笛のエピソードも含めて、アートとは何かといえば大げさだけど、でも人間とアートの関係の本質は、こういうおかしなところにあるのかもしれません。さらに金銭価値や世評というのはいかにいい加減かも。 


 原田、中須、山崎のほか、立花の妹役の新津ちせなど子役は真面目にシュールな役を演じています。一方、麻生、剛力、高良といった大人の俳優ははっちゃけてコミカルな感じ。謎に海から登場する潜水服姿の宮藤官九郎や、海辺にパラソルを広げてカーバーを読みながらサンドイッチなどランチを売る坂井真紀など、出番は少ないですけどみんな楽しそう。また、最後までどこに出ているかわからなかったけど、クレジットには過去作の主役の松山ケンイチと駒井蓮もでており声の出演らしい)、横浜ワールドが好きな人は満足できるでしょう。小豆島ロケも美しいし、黒猫にも癒されました。
 
posted by 映画好きパパ at 18:00 | Comment(0) | 2025年に観た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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