作品情報 2024年香港映画 監督:ドニー・イェン 出演:ドニー・イェン、ジュリアン・チョン、フランシス・ン 上映時間117分 評価:★★★★(五段階) 観賞場所:ローソンユナイテッドシネマみなとみらい 2025年劇場鑑賞296本
【ストーリー】
香港警察の敏腕捜査官、フォク警部(ドニー・イェン)は、捕まえた凶悪犯が手続き上の瑕疵から裁判で無罪になったため、警察の限界を感じて検察官に転職する。ベテランのパウ検事(ケント・チェン)の指導の下、最初に担当する事件は、貧しい若者マー(メイソン・フォン)が国際郵便で麻薬を密輸しようとして逮捕された事件だった。
だが、マーは弁護士事務所のアウ(ジュリアン・チョン)に騙されて嘘の自白をしていた。さらに、検察庁のヨン次長(フランシス・ン)と司法取引をしたため、冤罪をひっくり返すのは困難だった。しかし、検察の仕事は被告を有罪にするのでなく、真実を明らかにすると信じるフォクは、上司のヨンの圧力を負けずに事件の真相を解明しようとする。実はアウは裏社会の大物で、事件の裏には大組織の陰謀があった。フォクやマーの無実を証明できる彼の祖父(ラウ・コン)のもとに、刺客が送り込まれ…。
【感想】
ほとんどの刑事ドラマは刑事が犯人を逮捕しておしまい。アクションシーンも犯人逮捕の時のものが大部分です。しかし、アクションのあとに手続きの瑕疵を突っ込まれて、犯人が無罪になるというのは珍しい。さらに、その結果敏腕警部が、法廷での訴訟に勝とうと検察官に転職するというのは、おそらくほかに例がないパターンではないでしょうか。
裁判では新人検事のうえ、上司からの圧力もあって苦戦しますが、犯罪組織から何人刺客を送り込まれても、そちらは本業なので片っ端から悪者は倒していきます。この2つのさじ加減が実にうまくできています。証人を保護するのは警察で検事でないだろうなど突っ込みたくなる部分もありますが、細かいことはいいんだよというあまり気にならなくなります。裁判シーンでヨーロッパ映画でおなじみのかつらを、ドニー・イェンがかぶっているのは笑いどころか。
アクション監督には「はたらく細胞」の大内貴仁を起用。エンドクレジットを見ると、香港と日本のスタントマンが集結している感じ。このため、香港のオーソドックスなアクションに日本テイストのアクションが混じって、緊迫感、迫力のあるものとなっています。フォク警部視点のPOVみたいなアクションもあり、中でも予告にもある地下鉄でのアクションは度肝を抜かれました。まあ、あんな大騒ぎになっているのなら、警察が駆けつけそうですけど。
また、マーや祖父の貧困が犯罪組織につけいる隙になった一方、犯罪組織の大物だけでなく、エリート検察官も贅沢な暮らしをしていること、大物裁判官(マイケル・ホイ)は大物検事たちとインナーサークルを作っていることなど社会批判もちくり。その一方で、警察、検察共に、フォクの熱意にほだされて一丸となっていく情景はお仕事ムービーとしてもうまい。
香港と日本の司法の違いについては公式サイトに紹介されていますけれど、警官出身の検事が実際にいるというのはちょっと驚き。さすがにアクションまではしないそうですけど。ドニーは62歳ということもあり、劇中のセリフでもありますけど、現場の最前線で戦うのにはちょっと年を取りすぎたということでしょうか。それでも、これだけの激しいアクションを披露するとともに、裁判での頭脳戦もたたかうのだから、良いキャラクターを発案したと思います。
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「どこが事実に基づいとんねんっ!」と。
かなりカンフーパートが無理矢理捻じ込んだ感じしましたが、
楽しめたのでコレはコレでアリかなと。
ドニー・イェン、62歳…トム様のいっこ下か…。すごいな。