2025年10月06日

サラバ、さらんへ、サラバ

 田舎の女子高生の同性愛をアイドルは恋愛していいのかというモチーフで描く短編。こちらの予想を裏切る展開の連続には驚きましたが、さすがに上映時間が短すぎた気も。


 作品情報 2025年日本映画 監督:洪先恵 出演:蒔田彩珠、碧木愛莉 上映時間26分 評価:★★★(五段階) 観賞場所:ブルク13 2025年劇場鑑賞297本



 【ストーリー】
 茨城県の田舎町。高校の同級生の仁美(蒔田彩珠)と菜穂(碧木愛莉)は両想い同士で、キスまでした仲だった。ところが、K-POPアイドル志望の菜穂がオーディションに合格し、事務所から恋愛禁止を言い渡される。果たして2人は…


 【感想】
 アイドルの恋愛禁止は有名だけど、異性愛でなくて同性愛だというのは盲点でした。劇中ではそれも禁止された感じだけれど、実際に同性愛を自任する女性アイドルがいたら、ファンはどういう反応になるのかなと思ってしまいました。


 田舎の高校生であり、どちらかにいえば純粋な愛情に近い感じを受けた2人。仁美は菜穂の合格がうれしくてしょうがないのだけど、それが恋愛禁止につながるという実感がなかったのでしょう。彼女と菜穂の表情の違いを見ていると、大人のルールで別れさせられる若者の無情さというのが伝わってきます。菜穂はアイドルの夢を選ぶというのも、実際にもそうなんだろうな。


 でも短編にも関わらず、恋愛の障害や別れ話がよくある話におちいらず、えっ、こういう展開になるの?と驚かされることばかり。洪監督は韓国出身で日本映画大学脚本コース卒、そして本作が映画デビューだそうですが、みずみずしい視点と感性はオジサンの僕にも伝わってきました。まだ若いだけあって、2人を単に美少女ではなくて、田んぼの中とか帰りの砂利道といった情景の中の、ちょっと幼いセリフ(「うんこはうんこ」)や仕草で等身大の田舎の女子高生と表す脚本、演出もいい。それだけにもうちょっと長い時間観たかったかな。


 蒔田彩珠はこういうちょっとアンニュイで奇抜な若い子をやるのは本当にうまいですね。碧木愛莉はこれまで何本か脇役ででていますが、主役級でみるのは初めて。ともに実年齢は23、4歳ですけれど、女子高生役がうまくはまっていました。
posted by 映画好きパパ at 18:00 | Comment(0) | 2025年に観た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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