作品情報 2023年タイ映画 監督:ティティ・シーヌアン 出演:チャーチャイ・チンナシリ、ナルポン・ヤイイム、スティダー・ブアティック 上映時間125分 評価:★★(五段階) 観賞場所:新宿武蔵野館 2025年劇場鑑賞301本
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【ストーリー】
タイ北部の農村イサーン。自殺した若い女性、バイカーオ(スティダー・ブアティック)の幽霊が出るうわさで持ちきりだった。だが、元カレでいまだに未練たっぷりのシアン(チャーチャイ・チンナシリ)は彼女の幽霊に会いたいのに会えずに困っていた。
一方、都会の大学を卒業して進路に迷っているジュート(ナルポン・ヤイイム)は、とりあえず故郷のイサーンに戻り、父のザック(アチャリヤー・シータ)が一人でやっている葬儀屋を手伝うことに。仕事柄死後の世界に詳しいザックのもとに、シアンが幽霊に会う方法を聞きに来て…
【感想】
予告編だとバイカーオとシアンの話がメインなんですが、ジュート、ザック父子の話が絡んでくるため最初はだれがどういう人物設定なのかよくわかりませんでした。ただ調べたらタイで大人気テレビシリーズ「ティバーン・ザ・シリーズ」のスピンオフということで、地元では人間関係がバッチリわかるから、説明を省いたのでしょう。
初見の僕からすると、シアンのいい加減なうえ死んだバイカーオに執着するストーカーじみた言動はげんなりします。亡くなった人に会いたいというのはだれしも持つ心とはいえ、元カノの死にいつまでも執着するのか。しかも、日本の感覚戸違って、その言動がどんどんエスカレートしていくのも不思議。シアンと元カノの別れた経緯は、ドラマ版の第2シリーズ(第6シリーズまで作られています)に出てくるようなんですが、それを観ていないと単なる変質者としかみえません。
シアンはザックから幽体離脱して死後の世界(マルチバース?)に行く方法を聞き出します。そこの死後の世界はライティングといい、タイの美しい自然をバックにした池や森林の様子と言い見ごたえはあるのですけど、シアンが死後の世界に行くのならばバイカーオの幽霊が現世に来る必然性はないのでは? なんかちぐはぐなまま物語は進みます。
さらに、もともとはラブコメのドラマシリーズだったためか、映画内でも突然ギャグめいた描写が挿入されます。シアンたちの悪友のポン(ソムチャイ・サイウタ)が突然出家して、得度式でシアンたちがからかうのですけど、これも過去作をみていないとよくわからない。こういった描写が、映画のテンポの邪魔になったりします。まあ、タイの田舎の村でもキリスト教徒の黒人やイスラム教徒のおっさんの葬儀をしなければならず、新米葬儀助手のジュートが右往左往するのはおかしみがあるけれど、それ自体もシアンの話の流れからするとむりやりくっつけてるようでした。
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