2025年11月16日

てっぺんの向こうにあなたがいる

 登山家の田部井淳子の半生を吉永小百合主演で映画化。なぜか多部と名前は変えられています。女性活躍の先駆けをまじめに丁寧に映像化していますが、時系列とかもう少し工夫すればいいのに、ちょっと古めかしかったかな。


 作品情報 2025年日本映画 監督:阪本順治 出演:吉永小百合、のん、佐藤浩市 上映時間130分 評価:★★★(五段階) 観賞場所:キノシネマみなとみらい 2025年劇場鑑賞361本



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 【ストーリー】
 1975年、登山家の多部純子(のん)は女性として世界で初めてエベレスト登場に成功した。一躍時の人になった純子だが、周囲のやっかみや、夫の正明(工藤阿須加)と幼い娘の教恵を半年も日本に残したことへの批判もやまなかった。


 2007年、今や日本を代表する登山家となった多部(吉永小百合)だが、末期がんの宣告を受ける。しかし、多部はまだまだ死なないと宣言。正明(佐藤浩市)やエベレスト以来の親友で新聞記者の北山悦子(天海祐希)とともに、残された人生を精一杯生きようとする。


 【感想】
 冒頭、エベレスト登頂に成功記者会見を開くところから、がん告知にとんで、さらに、エベレスト登頂の準備が大変だったところになるなど、前半の時系列がちょっとややこしく、話のテンポを折っています。僕のように田部井のことをあまり知らない人も見ているのだから、この部分はもうちょっとわかりやすくしてほしかったかも。


 さて70年代は今よりもはるかに男尊女卑の時代ですが、映画は現代のコンプラを反映したのか露骨なセクハラ、パワハラ表現は抑えています。でも、それでも男社会の上目線に男である僕もいらっとしました。さらに、登山までは団結していた女性たちも、多部だけが登頂したことで嫉妬などからバラバラになっていく姿も、時代背景があるとはいえ、なんとも悲しい。


 現代シーンでは、著名人の子供であると周りから色眼鏡で見られたために両親と疎遠になった息子の真太郎(若葉竜也)の存在がいい味を出していました。親子が不和だったのがどこまで本当かわかりませんが、真太郎のぐれる気持ちもわかりますし(とはいえ、若葉の高校生役はちょっと老け気味でしたが)、母のがん告知をきっかけに次第にわだかまりが消えていく様子は、王道的とはいえ観ていておっとします。山が一家を再び結びつけるというプロットもいいし、東日本大震災の復興支援になっているのもいい。


 ただ、伝記ものにありがちなうえ、吉永という大スター主演ということもありますが、人格的に深みを感じたのは真太郎だけなんですねえ。他の俳優に比べて若葉が繊細な演技をしていたことがありますし、豪華出演者そろいの中でも真太郎が一番、ひかっていた役に思えました。


 吉永は80歳ですけど、登山シーンはCGとはいえ山道を歩いているシーンはさすがにロケだとすれば、体力には驚かされます。また、のんがオールスター映画に重要な役に出ているというのは、彼女の芸能界における立ち位置がしっかり戻った感じでちょっとうれしい。このほか、豪華出演陣の中では北山の若いころを演じた茅島みずきのさわやかさが印象に残りました。 
posted by 映画好きパパ at 06:21 | Comment(0) | 2025年に観た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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