2025年11月20日

女性の休日

 1975年、女性差別に怒ったアイスランドの女性たちが一斉に家事や仕事を放棄する「女性の休日」を設けたという話を、当事者たちのインタビューや記録映像で紹介したドキュメンタリー。今や世界一男女平等の国のアイスランドでもこういう歴史があったのかという驚きと、一人一人が立ち上がれば社会は変わるのだという驚きを与えてくれます。


 作品情報 2024年アイスランド、アメリカ映画ドキュメンタリー 監督:パメラ・ホーガン 上映時間71分 評価:★★★★★(五段階) 観賞場所:シアターイメージフォーラム  2025年劇場鑑賞367本



ブログ村のランキングです。よかったらポチッと押してください
にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村

 【ストーリー、感想】
 1970年代のアイスランドはまだまだ女性差別が残っていました。女性は18歳で結婚するのが当然とされ、弁護士のような知的職業への門は閉じており、銀行や新聞社のような大会社に入ったとしても、お茶くみ、コピー取りのような軽作業を押し付けられ給料は低く、出世するのは男ばかり。さらに、政治や経済のまじめな話をしようとしても男たちは無視します。家事しかしない専業主婦が女性の鑑とされていました。 


 そうした現状に憤った女性たちは、レッドストッキング運動を起こします。赤いストッキングをはいて、男女差別に抗議するもの。最初は若い女性を中心にした数十人程度の集団でしたが、ミスコンに反対して牝牛を会場に持ち込んで中止させるなどの行動が話題となり、徐々に広がっていきます。


 国連が1975年を国際婦人年としました。レッドストッキング運動のメンバーをはじめ、多くの団体、組織の女性たちがアイスランドで何ができるかを話し合います。そこで、彼女たちはストライキを提案しますが、右派の女性が反対。休日というネーミングにすることで、多くの賛同者を得ます。


 10月24日の金曜日は、家事も育児もしないと女性たちは宣言します。男たちは最初は無視して、次は笑って、そして参加者に怒るというふうに対応してきました。参加したらクビにすると脅される女性もいました。しかし、女性たちの怒りのマグマに火が付き、なんと9割の女性が、この日を休日とします。男たちは生まれて初めて炊事をしたり、赤ちゃんのおむつを取り替えたりてんやわんや。企業、学校は閉鎖され、国営航空も欠航になりました。全国20か所以上で集会が開かれ、女性たちが男女平等を訴えます。インターネットもスマホもない時代なのに、一致団結できたのは本当にすごい。首都レイキャビックでの集会に女性が次々と押し寄せて、団結を訴える歌を合唱するシーンは、男の僕も涙が出そうに感動しました。


 こうした成果があり、アイスランドは1980年、世界で初めて女性大統領が誕生。現在では国会議員の半数が女性など、世界で最も男女平等な国となっています。それでも、より完全な平等を目指して女性たちは毎年「休日」を設けています。これら一連の動きを当時の女性運動家から、元大統領、元最高裁長官ら、この運動がきっかけで女性として国のトップになった人たちまでインタビュー。インタビューを受ける人が男性も含めて、みんな楽しそうに、懐かしそうに当時を振り返るのが印象的。記録のニュース映像だけでなく、柔らかいアニメも使って飽きさせません。エンディングソングはビョークが手掛けています。


 残念だったのがこの動きがアイスランドでとどまってしまったこと。特に日本をはじめとした東洋諸国は家父長制が強かったこともあり、徐々にしか変わっていきませんでした。日本でもこれだけドラスティックな社会運動があればいいのにとつくづく思います。アイスランドでも、権力者は男ばかりの中、女たちは内心の恐怖を押し隠しながら、運動に参加したのですから。


 そんな日本でも初めて女性の首相が誕生しました。高市さんが首相になったことを、多くの左派フェミニストは攻撃しますけど、男しか政治を支配しないように思えた日本に変化の兆しが起き、次代を担う女の子たちを勇気づけるとなんで思わないのか。アイスランドでも1970年代は、女の子が将来の夢に弁護士や船長といった職を上げても、馬鹿にされてつぶされていたそうです。それが実際に弁護士や船長、ついには大統領に女性がついたことで、女の子の夢を広げていきました。結局、日本の男女平等を妨げているのはこういう人たちが自分たちの好き勝手な意見だけで、国民全体に広がる運動をしないからと思えてなりませんでした。
posted by 映画好きパパ at 18:00 | Comment(2) | 2025年に観た映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
出だしがアイルランドでアイスランドになって、え?って思っていましたが
アイスランドが正解ですかね。
今が平等なのはこういう出来事から勝ち取って来たのかと。

今、私が普通に仕事ができるのは世の中を変えようとしてくれたこういう先人たちのおかげだなと思っています。

そして高市さんが首相になってくれて、
「やっと子育てや介護を経験した地に足の着いた人がトップに立ってくれた!」と思っています。
Posted by ももんが at 2025年11月21日 08:24
ご指摘ありがとうございます。アイスランドが正しいですね。お恥ずかしい。
高市さんはいろいろ言われていますけど、女性初の首相になったことはすごいことだと思ってます
Posted by 映画好きパパ at 2025年11月21日 09:06
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。